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長岡新聞:台風19号被害
今井地区浸水に不手際:浸水ピーク後に避難準備発令

日本全国で甚大な被害を出した台風19号によって10月13日、市内今井地区を中心に床下浸
水が100棟以上発生する大きな被害が出た。
だが同地区で避難に関しての情報が市から出たのは、浸水のピークを過ぎた後だった。対応
の遅さを指摘する声は直後からある。しかも浄土川が越水したとの現場からの情報は発信さ
れたにもかかわらず、危機管理防災本部に伝わっていなかった。情報伝達でも不備があった
ことも判明した。
こうした実態では「市民の安心・安全はどこに行ったのか」との指摘は強い。市では台風19号
の対応状況などをまとめ28日、会見を開いて実情を発表。当面の対応を表明した。

「バックウオーター現象」が発生した

磯田達伸市長は、信濃川本流の水位が上昇することで支流の太田川、浄土川に水が逆流す
る「バックウオーター現象」の発生が今井地区浸水の原因と話す。そのうえで「避難情報が遅
かったのではとの指摘がある。当たっている部分もあり反省する」と述べた。
ただ「バックウオーター現象」は想定外のこととしている。
市内住宅の水害被害は与板地区などを含めて床上浸水12棟、床下浸水128棟の計140棟。
このうち、今井地区での被害は床上浸水11棟、床下浸水115棟の計126棟と、大半を占め
た。
災害に対応するため市は10月28日、被害対応経費として総額約1億1400万円の専決処分
をしている。

10月13日の今井地区浸水に関する市の動き

市は会見の席上、13日(日曜日)の今井地区周辺での対応状況を述べた。
水害は13日午前2時50分ごろ、警察から宮内地区で道路が冠水したとの情報が市土木部へ
もたらされた。
午前3時ごろに宮内地区をパトロールし、西宮内地区で冠水が確認された。これを受け30分後
には市土木部職員らが現場へ駆け付け、バリケードの設置やパトロールなどの安全対策を始
めた。
午前6時ごろから、最大9台の仮設ポンプによって排水作業を開始した。
午前7〜8時の間に浄土川の越水を現場にいた市職員が確認した。
午前8時ごろから今井地区で最大10台の仮設ポンプによる排水作業が始まった。こうした現地
からの情報は午前8時30分ごろ、土木部から防災本部へと伝えられた。
さらに午前10時29分、現場からの写真などが防災本部へ送られた。だがこれは防災本部会議
開催の直前だったため、確認は午前11時の会議終了後となった。
12時49分、今井地区の住民から消防本部に救急要請があり、救急車が出動した。
午後1時ごろに今井地区の住民から防災本部に、避難所に関しての問い合わせがあってよう
やく、今井地区の家屋浸水状況を確認。被害状況の大きさを把握した。
これを受け防災本部は午後1時2分に、宮内地区に「避難準備・高齢者等避難開始」を発令。
広報車で避難、安全確保を呼び掛けた。
午後1時30分頃、市土木部は左近地区に仮設ポンプを最大2台設置した。 
午後8時30分、防災本部は宮内地区での「避難準備・高齢者等避難開始」を解除。午後9時に
土木部による排水作業は完了した。

想定外と市は強調するが越水情報は届いていた

浄土川の越水は午前6時ごろに始まり、正午にピークを迎えたと推測されている。遅くとも午前
8時までに現地にいた職員は越水を確認しており、防災本部へ2度に渡って連絡している。
今井地区では雨水による冠水が過去にも発生している。防災本部では今回も同様の事態であ
って従来の排水作業で対応できると判断したという。
通常の排水作業により今井地区での水位は一時的に低下した。だがその後、「バックウオータ
ー現象」が発生。水位が急上昇して浸水被害が広範囲に発生した。
金子淳一市危機管理監は、バックウオーター現象について「想定していなかった。想定できて
いれば避難勧告などを出すべきだったが、これまでに経験したことのない事象だった」と、想定
外の事だったと強調した。
だが、現場からの越水情報は防災本部へ送られていた。
市では午後1時ごろに今井地区の住民から問い合わせがあるまで、浸水被害の状況を把握し
ていなかったという。
午前11時の対策会議では、今井地区に関しては、水が上がりやすい地区であり現場で職員が
排水作業中と伝えられたのみで、浸水被害が拡大しているとの情報はなかった。
これでは対策会議は形だけと指摘されかねない。
 
対策会議に最新情報を提出せず

現場からは防災本部に午前11時の直前に浄土川に関する情報が送られている。これを何故
対策会議に報告しなかったのか。
確認したのは対策会議の後だった。現場職員と本部の情報伝達に祖語があったのは明らか
だ。しかし、金子危機管理監は会見の席上「現場が情報を上げたとしているが、本部側の受け
止めが判然としていない。連絡のやり取りの検証を今、している」と語るにとどめる。
それにしても祖語はあまりにも大きい。
避難準備・高齢者等避難開始が発令されたのは、浸水のピークが過ぎた後であった。それも
信濃川の水位が上昇したことによる発令だった。浄土川が越水したからではない。越水を知ら
なかったわけでもない。浄土川には水位計がない小さな河川であるため、「避難情報を判断す
る基準がない」と、判断ができなかったと市は釈明する。
だが、今井地区では最大で約1・3bの浸水があった。それでも最後まで避難勧告も指示も出
なかった(市全体へは大雨・雷・強風・波浪注意報や洪水警報などは出ていた)。今回は人的
被害は出なかったが、防災本部の知らないところで大惨事につながった可能性もある。
「これでは市民の安心・安全はどこに行ったのか」と被災者は嘆く。
 
市民の安心・安全が後手になった

今後市では、信濃川や太田川を管理する国、県へ堤防強化、「バックウオーター現象」に対応
した治水対策、浄土川への水位計の設置などを要望していくとした。
市の防災ホームページにアクセスが集中したことへの対策、ハザードマップを活用した避難行
動について市民の理解を促進するなどにも取り組むとする。与板地域では2095世帯、5800
人に避難勧告が発令になっている。今井地区への対応は急ぐことになる。
 磯田市長は、今回の被害を受けて「中小河川の水害を未然に防ぐ取り組み、対策の強化を
とっていく。水位上昇が予測される場合には、避難準備や避難勧告を前日には出すということ
も必要になる」と話した。浸水を受けた住民にとっては、早急な安心・安全への対応が待たれ
ている。

寺泊:台風19号が大荒れ

台風19号の襲来で3連休の行事が全部中止になりました。
大河津分水河口(野積側)から寺泊方面をみると、大波に吸い込まれそうでした。上流の良い
ものも悪いものも根こそぎ剥ぎ取って、自然ってすごいです。
釣船引上げのための友人達がいなければ心細かつたです。

台風19号義援金を受付

台風19号は甚大な被害をもたらした。連続した被災は被災地を苦しめている。長岡市はこの
台風で被災した人を支援するため来年3月31日まで、義援金を受け付ける。
集まった義援金は日本赤十字支社へ全額送金する。募金箱はアオーレ長岡東棟1階市役所
なんでも窓口のほか、各支所市民生活課に設置。
また日本赤十字社へ直接寄付する場合は、ゆうちょ銀行から送金する。この場合の手数料は
無料。口座番号=00190-8-515005、口座加入者名=日赤令和元年台風第19号災害義
援金。


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長岡新聞:柏崎刈羽原発で不適合処理
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