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長岡新聞・悠久録(10月30日)No.1568

紅葉が始まった。次第に木々が色づいている。消雪パイプの点検も始まった。すぐに雪が来る。
今年は小雪だろうか。それとも暑さの反動で豪雪だろうか。自然は毎年同じことを繰り返すが、
やはり気掛かりだ▼作家司馬遼太郎は小説『峠』の冒頭で、河井継之助に「雪国は、損だ」と語
らせている。「冬も陽ざしの明るい西国ならばこういうむだな働きや費えは要らないだろう」とも。
雪囲いの様子を見ての慨嘆だ。作家は継之助が受容できなかったと示唆することで、後年の戊
辰戦争を暗示する▼日本画家横山操(1920〜73)はシベリア抑留の戦争体験がある。画家は
雪景色の中に黒々とした山肌やハサ木の列を登場させる。黒と白の対比はすさまじい迫力で迫
り、まるで怒っているかのようだ。その画業には、過酷さを耐えた強烈な気迫が籠っている▼雪
に負けるなとの声を聞く。「耐雪」はもちろんのこと、「克雪」と「利雪」を指摘する。旧中里村(現十
日町市)は『雪国はつらつ条例』を1988年に制定し、雪に負けない地域づくりを目指した。条例
は当時、大きな反響を呼んで教科書にも載った。だが間違えた。ナント『雪国はつらいよ条例』と
したのだ。「はつらつ」が「つらいよ」では、関係者はさぞ困った事だろう▼それほどに辛い雪の時
期が近くなった。せめてそれまで紅葉を楽しみたいものだ。(とけいそう)

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