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No.1008:「75歳高齢者論」

日本人の寿命が延びている。おかげで高齢者が多くなり、新たな課題が生まれてきた。年金
や医療など国の財政負担であり、高齢ドライバーによる交通事故である。世の関心は高まる
ばかりである▼日本老年医学会は、65歳以上の男性ドライバーの内6割以上が中等度の認
知障害を抱えていると、指摘する。老いることは、経験を積むことでもあって、まだまだ体力も
気力も大丈夫と思いがちである。だが反射神経などは、若い頃に比べれば低下する。それに
警鐘をならす▼同医学会は日本老年学会に所属する7つの学会の一つ。両者は連携して高
齢者の定義を、「65歳以上」から「75歳以上」に引き上げるべきだと、提言した。65〜74歳(准
高齢者)は社会の支え手として捉え直すべきだという。6割以上が認知障害を抱えているとしな
がらの提言は矛盾しているようであるが、それだけ長寿化が生んだ問題は深刻である▼75歳
であれば、高齢化率は改善する。とはいえ、年金支給年齢や高齢者の医療はどうなるのか。
高齢化の課題は交通事故だけではない。定年で職場を離れなければならない現状では、社会
福祉は欠かせず、年齢は単なるモノサシでは終わらない▼「老いることだけでは悲劇は生まれ
ないが、まだ若いと思うときに失敗は起きやすい」という。加齢が交通事故などに繋がれば悲
劇であり対応は必要としても、交通事故死は昭和20年代と同レベルに下がってきたのも事実
である▼祝うべき長寿が新たな課題を生んでいるが、75歳論には本末転倒の気配がある。(と
けいそう)

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