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No.1010:「良寛と巻菱湖」
(1月19日分)

日本語には漢字、ひらがな、片仮名の3種類がある。表記方法が3種類では覚えるのが大変
なはずであるが、日本人はほぼ100%文字を読むことができる。江戸時代の寺子屋や藩校な
どの伝統の成果だろう▼今一つは、漢字が象形文字であって、文字の形から概ねの意味を推
測できる。だから識字率も高くなる。漢文を日本語に昇華した背景には、文字自体が物事の形
をかたどっていることと、無縁ではあるまい▼だから文字を書くとき、漢字を美の対象とするこ
とが可能になる。そうした特質を文字にあることを早くから知った古人は、幾多の名筆家を生
んでいる。越後では、良寛(1758〜1831)と巻菱湖(1777〜1843)が著名である▼新潟
県立近代美術館では15日まで2人の墨跡を並べて展示していた。良寛は説明するまでもない
著名人。禅僧であり、書家であり、歌人である。伝えられる様々なエピソードは、良寛の人柄を
語って、ますます親しみをもたせる▼一方の巻菱湖も一世を風靡した書家である。王羲之(お
うぎし・303〜361)をはじめ中国古来の書法をすべて修得したともいう。門人は全国から1万
人を数えた。巻菱湖の書法は明治初期の尋常小学校で教科書として採択され、我々の父祖
は皆これを学んでいる▼県立美術館での展示では2人の名筆をならべて示していた。なかな
か壮観ではあったが、なぜか、訓読の注記がない。白文のままであるため、読むことができな
い。それが残念だった▼それでも良寛の『心月輪』だけは読むことができた。(とけいそう)


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