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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1016:ポロリ事件

(2月9日分)

来月12日からの春場所の前売りが1日で15日分完売した。こんなことはなかったと相撲協会
が喜んでいる。稀勢の里効果である▼相撲は身に寸鉄を帯びず、「土俵」と言う直径4・55b
(15尺)の限られた空間で勝負する。少しでもはみ出れば、負けである。場外乱闘などの無法
はあり得ない▼身には「まわし」一丁を付けるのみである。大相撲では幅は約80a、長さは9
bくらいと聞いた。サポーターや袋などはついていない。一本の帯である。これを体に付ける
(締める)。体型に合わせて二つ折りから八つ折りまでしながら締める▼「まわし」は洗濯をしな
い。天日に干すだけである。それでは不潔でないかと思うのであるが、長い伝統である。日光
消毒が幅を利かせている。稽古で傷まないように丈夫な布を使うがその分固い。そのままでは
締めにくいので、使う前にビール瓶などで叩いて柔らかくする。1度では無理であるから何回も
何回も叩く▼手入れして体になじませ、しっかりと締めるのであるが、緩むこともある。緩んだら
厄介である。そのようなときは取り組んだ姿勢のままで行司が締め直してくれる。「行司待っ
た」あるいは「まわし待った」である▼だが平成12年の5月場所では「まわし待った」が間に合
わなかった。三段目千代白鳳と朝ノ霧の一番で、朝ノ霧のまわしが落ちた。いわゆる「ポロリ事
件」である。電波に乗って全国へ流れ、賑やかな話題になったこともある▼おかげで翌日はさ
らに大入りだったとか。春場所が今から楽しみになっている。(とけいそう)


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