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No.1027:復顔
(3月28日分)

「復顔」は遺骨(頭蓋骨)から、生前の表情をよみがえらせる技術である。この技術で長岡藩5
代藩主牧野忠周(ただちか・1721〜1772)と6代藩主牧野忠敬(ただたか・1729〜1748)
の表情が復活。昨年10月に第70回日本人類学会大会で展示になった▼展示が縁で制作者で
ある戸坂明日香さんが5月に来岡。蒼柴神社で講演する。長岡藩士族の会である「柏友会」
(伊丹耿一会長)が招いた。戸坂さんは東京藝術大学大学院の美術解剖学科で博士号を取
得。日本科学未来館に勤務し、「復顔師」として活躍している▼これまでに20個近くを「復顔」し
た。復元された表情は幾星霜を経ながらも、妙に親近感をよぶ。牧野家の墓所(当時は港区
の済海寺にあった)が再開発に遭遇した時、発掘の結果、遺骨がでた。当時は土葬であった
から頭蓋骨も残っていた。以来連綿と研究が引き継がれてきた。戸坂さんの技術のおかげも
あって、300年ほど昔の頭蓋骨が藩主の素顔をよみがえらせた▼余談であるが発掘後、累代
の墓碑をどうするか。関係者は苦慮した。故郷長岡へ遷したいがその費用は半端でない。結
局田中角栄を頼ったという。そのお声がかりで資金が集まり、墓碑はすべて蒼柴神社境内の
招魂社脇に遷った。港区の再開発をきっかけに、歴代藩主のUターンが実現した▼戸坂さん
は費用調達に苦労したという。このためインターネットで広く協力を求めた(クラウドファンディン
グ)。長岡藩主の「復顔」には大勢の力がある。興味深い話になりそうである。(とけいそう)


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