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No.1029:道徳の教科化
(4月4日分)

文部科学省が「道徳」を教科にする。小学校は18年度から、中学校は19年度からとし、先般は
小学校での教科書を検定。8社の24点66冊を決めた。「道徳」を子どものときから教え立派な
大人を育てようとする趣旨である▼教科として扱うから子どもの評価も行う。子どもの考え方か
ら行動までが評価の対象になる。だが考え方や意見、行動など全人格な評価は可能なのか。
さまざまなルール・マナーを身につけさせるとしても、価値の多様性に困惑するのでないか▼
「日本の伝統と文化の尊重」という観点が基準のようだ。当然のことであるが、その例示が難し
い。検定では街角のパン屋よりも和菓子屋の方を好ましいとした。ショーケースに並ぶスイーツ
や焼き立てのパンの香りは、今ではすっかり定着し、日本の風景になっている。町おこしには
欠かせない業種でもある。だが新たに決まった教科書では「和菓子屋」を優先する▼これでは
今大流行のスイーツ業界は面白くなかろう。「アスレチック公園」も指摘を受けた。大型の遊具
を備え、子どもが思いっきり体を動かして遊ぶことができる公園は、最近の流行である。その
形態を日本は受け入れてきた。だが、「琴と三味線の店」の方が趣旨に合うという▼和菓子屋
も琴と三味線のお店も、日本文化の一翼を担っているのは確かである。だがあまりにもこと細
かく口を出す姿勢は、現実とのズレを生じかねない。日本文化は国際化の中で多様化してお
り、衣食住の全てに及んでいる▼広い視野に基づくよう願うばかりである。(とけいそう)



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