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No.1033:合格石
(4月20日分)

小国地域八王子に空き家を活用した「たまり場八(は)っちゃん」が誕生した。空き家となった
古民家を市が借り上げて過疎地での賑わいを取り戻そうとする試みである。地域おこしを目指
して各地で様々な工夫が行われている▼栃尾地域上来伝の菅原神社には「石」に「5」を書くと
試験に合格するとの伝承がある。「5」を「石」に書くことは「合格への意思」である。最近では
「G0」の人気が高い。「合」を書けばもっとストレートに「合格」祈願になる。随分古くからの習慣
に参拝する受験生が絶えなかった▼これを活かそうではないか。集落はがぜん忙しくなった。
氏子である住民総出でお祓いやお土産を用意する。お土産はもちろん「合格石」である。「石」
はどのようなものでも良いのであるが、神社では自然石を雪融けの清流でていねいに磨き上
げた。お祓いもする▼評判は高まる一方で全国に広まった。受験シーズンには「合格石」を求
めて参拝者が列を作る。自分のため、子供のため、孫のため、遠く県外からもやって来る。集
落は賑やかになり和気藹々、活気が満ちてきた▼このありがたい神社は、学問の神様とされ
る菅原道真(845〜903)を祀っている。全国に広がる「天神様」のひとつである。道真は俊英
で右大臣に昇進する。だが讒言(ざんげん)を受けて九州大宰府に流され、この地で没した。
冷遇を受けた道真への同情が、学問の神様を生んだ▼おかげで越後の地で「合格石」が生ま
れた。伝承をうまく活かした微笑ましくも楽しい地域おこしである。(とけいそう)




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