長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
ライターを募集しています(0258−32−1933:希望の方は星野へ) 
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1034:重ね言葉
(4月25日分)

「立派な武士のサムライが/馬から落ちて落馬して/女の婦人に笑われて/腹を切って切腹
した」は、悪文の見本とされる▼サムライは武士であり、馬から落ちれば落馬である。婦人は
女に決まっている。腹を切ることを切腹という。つまり同じ内容を延々と繰り返している点で悪
文である。大人はこのような繰り返し(重ね言葉)は使わない▼このような繰り返しは、成人す
るにしたがって次第に消えていくものであるが、うっかり使うこともある。「所在不明の行方不明
者」などは、災害のたびに出てくるが、やはり悪文である。「後で後悔する」も同様である。心し
たいものであるが、最近これ以上ない悪文を見た▼東京電力である。不手際を糊塗し、自社
内で済まそうとする。耐震不足を3年間伏せていた。県知事の視察時にも説明しなかった。同
社社長はこれで何度頭をさげたことだろう。「社内のコミュニケーション不足だった」と謝罪。
「地元優先を根付かせなければ・・」「自社の都合優先」という。自社を優先しているから地元優
先にならない。同じことをいつも繰り返す▼人は年齢を重ねると、なぜか繰り返すことが多い。
本人にとってはよほど印象に残った出来事なのであろうが、聞かせられる側は「またか」と思っ
てしまう。これが老親であったりすれば、周りは慣れている。罪のない話でもある。家族で笑み
を交わしながらじっと聞いてあげる▼だが立派な大人が公の席で何年にもわたって繰り返す
と、驚くことになる。こうなれば「腹を切って切腹する」しかない。(とけいそう)




ライターを募集しています(0258−32−1933:希望の方は星野へ) 
購読の申込みも同番号へ
トップへ
戻る