長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
ライターを募集しています(0258−32−1933:希望の方は星野へ) 
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1036:軽率な発言
(5月2日分)

「物いえば唇寒し秋の風」は芭蕉の『座右の銘』(貞亨年間・1684年頃に刊行)にある。「人の
短をいふ事なかれ己が長をとく事なかれ」とし、自慢したり、そしったりした後のむなしい気持ち
を歌っている▼軽率な発言が人を苦しめ、己が身を滅ぼすことがある。小さな舌のおかげで、
大の男が身を滅ぼしたのでは、まことに惜しい。「雄弁は銀、沈黙は金」ともいう。言葉は重々
気を付けなければならない▼今回の失言は今村雅弘復興相(当時)だった。自民党二階派の
パーティーでのこと。東日本大震災について「東北でよかった。もっと首都圏に近かったりする
と甚大な被害があった」などと述べた。復興は道半ばで、苦しんでいる被災者は多い。復興相
の立場では神経を逆なでする発言だった▼その前には自主避難している被災者への住宅無
償提供を打ち切ることについて、当然とした。質問した記者に対して「出て行きなさい!もう2度
と来ないでください」とキレル始末である。これでは当人の資質に問題アリとなる▼口から出た
言葉は千里の彼方まで走る。呼びもどすことはできない。しかも録音や録画のおかげで国民
は繰り返し見てしまう。時期も悪かった。北朝鮮問題で危機感がたかまっているなかだった。よ
ほど太平の夢にあったのだろうか。要職にある身としては軽率で、見識がない▼その一方で東
北の良さを伝えるツイッターが増加。同じフレーズが郷土愛の新たな合い言葉として広がって
いる。政治家の役割とは、このような故郷への愛にこたえることだろう。(とけいそう)



ライターを募集しています(0258−32−1933:希望の方は星野へ) 
購読の申込みも同番号へ
トップへ
戻る