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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1040:農業も観光に
(5月18日分)

長岡では田植えがおおむね終わったようである。田に水が張られ、植えたばかりの早苗が風
に揺らいでいる。何やら頼りなげであるが、その緑が秋には黄金色に輝き、豊かな実りをもた
らす。米作りとはその日を楽しみにする営みなのだろう▼機械化も進んでいる。1町歩を超え
る広い田の代かきも瞬く間に終わる。畔ぬりも早い。田植え機の威力は驚異的である。昔の田
植えは腰を痛めながらの重労働であったが、今は明るさがいっぱいである。見ていると胸が躍
る▼水管理も合理的である。おかげで水不足はあまり聞かない。渇水期に欠かせない「水番」
も過去のもののようだ。陽を浴びる早苗の姿が可憐で、夜ともなれば幾千もの月が水面に映
える。うるさいほどのカエルの声も郷愁を呼ぶ。すべてふるさとの魅力である▼米作りは八十
八の手間暇がかかるというが、そのすべてが絵になる時代になった。だからその風景を「借
景」として観光に取り入れる。屋内にいながらにして田の緑を楽しむケースである。田の向こう
に山容が迫る。あるいはのどかな山村の風景が広がっている。それを眺めることで、癒しを提
供する。田の風景を最良の景色として扱い、観光に利用するケースも多くなった▼今では、全
耕地の約4分の1が米を作っていない。それでも、米の需要は十分に賄えるようだ。県の農業
関係担当者は、本県の米作りは全国一の効率と胸を張る。冬の間完全な休耕のなかでの日
本一である。高い効率なのだろう▼頼りなげな早苗であるが、実は、逞しさに満ち溢れている。
(とけいそう)。

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