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No.1051:相手の話を聞く姿勢
(7月4日分)

「問答無用」が多くなった。「一強」のためなのか。「丁寧に説明する」と言って説明しない。その
他大勢は束になってもかなわない▼気に食わないと「地位に恋恋」などと中傷する。「出会い系
に出没」などと論点をずらす。選挙への関与を訓示した大臣も罷免しない。多数を誇示する様
子は「問答無用」で横暴である▼だが、そんなこととは無縁の人もいる。コメディアンの萩本欽
一(76)はその一人だろう。高校生の時、「家計を助けるため」に配達アルバイトをしていた。バ
イクで都内を走り回っていたとき、高級車に荷物が接触。ひっかき傷を作ってしまったという。
当然トラブルになる▼どこの会社だと、厳しく追及してくる。だが答えれば会社に連絡がいき、
アルバイトは出来なくなるだろう。そうなれば家計はさらに苦しく、母が悲しむ。自分の学費も払
えない。だから自分が働いて、何年かかっても修理代を必ず返しますと、ひたすら謝った▼結
果は許してもらったという。相手が黙って萩本の釈明を聞いてくれたのである。そして自分も子
供の頃、家計のためにアルバイトをしたと言い残して去った。萩本はその時、自分の話を聞い
てくれた車の持ち主に感謝し、あんな大人になりたいと思ったという。走り去る車が涙でかすん
だという▼萩本はそのような出会いを大切に、頑張ってきたのだろう。先輩・後輩問わず「欽ち
ゃん」の愛称で親しまれている。たとえ年下でも相手の話を聞く姿勢が、一人の高校生を魅力
的な大人にした。そこには「問答無用」の姿勢はない。(とけいそう)



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