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No.1070:アサガオの変遷
(9月21日分)
ハギが風に揺れる季節になった。アサガオが名残の命を主張している。毎朝咲くアサガオは
嬉しいものだ。その姿は、まさに「アサガオだ!」と思う。夏の花と思いがちであるが、「秋の七
草」にその名前がある。俳句では秋の季語である▼「秋の七草」は身近な草花七種類の総称
である。ずいぶん古い時代からの言い伝えであって、七草にはススキなど素朴な花が並んでい
る。自然と一体に生活していた時代では、身近な草花が定着したのだろう▼七草のひとつアサ
ガオは平安時代に中国から渡来。育てるのも簡単で毎朝咲いて綺麗である。種類も多く楽し
める。最近ではグリーンカーテンにも利用する。だから「秋の七草」にいうアサガオは、これ
だ!と思いがちである。だが実は今でいうキキョウであることが判明している▼キキョウはこの
うえなく美しい。王朝人は短い花の命にはかなさを見たのか。朝咲く花として愛でたのだろう
か。そしてキキョウをアサガオと呼んだ。そうしたなかムクゲが渡来する。朝に咲きこれも美し
い。賞賛を浴びて、アサガオと呼ばれるようになった▼こうしてキキョウはアサガオの地位から
転落する。さらに「牽牛子」(けにごし)が輸入されると、朝咲いて美しさも際立つことからアサガ
オと呼ばれる。これが今のアサガオでムクゲもついにその地位を失った。▼キキョウがアサガ
オと呼ばれなくなったときに、七草の表現も変われば良かったのに、王朝人は変えなかった。
おかげでアサガオはややこしい状態になり、その変遷はドラマのようである。(とけいそう)

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