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悠久録(過去の悠久録はこちら)
長岡新聞悠久録No.1110:「冶葛(やかつ)」
(3月15日分)

正倉院(奈良市)は聖武天皇・光明皇后ゆかりの品など、天平時代(西暦700年代)の美術工
芸品を多数収蔵する。その品々には全てリストがあり、一つひとつの来歴が分かる。美術史上
稀有なケースである。1997年に国宝に指定。98年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録
された▼その中の一つに「冶葛(やかつ)」がある。長い間正体不明であったが、最近に至って
アジア原産の植物で、猛毒と判明した。この「冶葛」は正倉院に収められたときは約7`cだっ
たと記録が残っている。だが現在では400cほどという。残りはどこへ行ったのか。だれが何
に使ったのか。正倉院から持ち出せる人物は限られていたに違いないが、謎である▼歴史に
は謎が多い。とりわけ不可解な死には謎が生じる。その多くは政治がらみなのか。先般は財
務省近畿財務局の男性職員が自殺した。大の大人が自殺するのはよほど事情があったのだ
ろう。別の道はなかったのかと、ついつい第三者は思ってしまうが、不気味な疑念も湧いてしま
う▼とはいえ、男性職員は国有地払い下げ業務の担当課員だったようだ。生前「常識が壊れ
た」と述べていたとも寡聞する。そして公文書改ざん疑惑が生じ、国会は空転。財務省は12日
に至り14件の改ざん個所と全78nのうち62nの改ざんを公式に認めた。先の男性職員は関
与していたのかどうか、今は謎である▼現在は「冶葛」が使われることはない。だが、高圧的な
言葉で部下を追い詰めることがあるとすれば、これほど恐ろしいことはない。(とけいそう)

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