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悠久録(過去の悠久録はこちら)
長岡新聞悠久録No.1114:大相撲のつり屋根

大相撲の土俵真上には、「屋形」(やかた)がある。通称「吊り屋根」といい、6・25dの重さを2
本のワイヤーで吊っている。相撲興行は当初屋外で行われたから、雨除けのため屋根が必要
だった。だが今は屋内である。「吊り屋根」は無くても良いように見えるが、そのように思う人は
少ない。むしろ伝統の力を感じているようだ▼昔は4本の柱を立てて、その上に入母屋造りの
社殿を載せた。そこに神が降りてくる。ところがその社殿を伊勢神宮と同じ神明(しんめい)造
りに変えたのが昭和6年(1931)だった。この時代の天皇は絶対視され、神とされていた。神
の始祖で、深い関係にある伊勢神宮と同格とは、畏れ多いことである。当時「よく皇室が許した
ものだ」と誰もが驚いたという▼どこからもクレームが出なかったのは、相撲の持つ伝統が納
得させたのだろう。だから現在も「吊り屋根」の社殿は、社格を表す丸い横木(鰹木・かつおぎ
という)を10本も屋根に載せている。10本は伊勢神宮と同格。最高の格式を示す。大相撲は土
俵真上に最高の格式を載せ、神が降りて宿る真下で取り組みをする▼両国の国技館も、「国
技」を冠している。だが、誰も不思議に思わない。日本には古くから伝わる伝統の武道は数多
くあるが、命名する時にクレームがあったとの話も無い。「国技」は相撲なのである。こうして大
相撲は、国技の地位を盤石にして行く。見事なマーケティングだった▼改革を主張する声もあ
る。だが相撲協会のビジネス感覚もなかなかのものである。(とけいそう)


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