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長岡新聞・悠久録No.1165:オセロ

チェコで開催の第42回世界オセロ選手権で、24ヶ国からの選手を相手に小学5年の福地啓介
さん(11)が優勝した。歴代最年少で、従来の記録15歳を36年振りに塗り替える快挙だった▼
オセロは製薬会社のサラリーマンだった長谷川五郎氏が工夫した。子供時代の遊びから試行
錯誤を重ね、簡明でスピーディーなゲームを完成させた。ネーミングはシェクスピアの戯曲『オ
セロ』から。黒人のオセロ将軍と白人の妻を巡る物語が、黒と白の駒にマッチした。ゲーム盤
はチェスと同じという。国際性を持たせたコンセプトだった▼長谷川氏は勤務先や訪問先で紹
介したところ、反響が良い。そこで1972年、潟cクダオリジナル社へ持ち込んだ。同社は販
売には慎重で、当初の製造は3000セットだけだった。テレビ宣伝なども一切せず、デパート
の実演販売だけとした▼だが売れた。そこで同社では年末商戦参入を決意。テレビCMを流し
たところ、これがフィーバーした。またたく間に38万個、翌年には120万個以上、さらに翌年は
280万個と大ヒット商品になったという。アイデアに満ちたオセロは、海外でも好評で、今では
世界大会を開催するほどである▼余談であるが、優勝した福地さんが帰国のため搭乗したド
イツ発成田行きのANA機の機長が、ナント36年前(当時15歳)の最年少優勝記録保持者だっ
た。機長のアナンスに、機内には驚きが広がったという。航空会社の粋な計らいである▼オセ
ロは囲碁や将棋などとともに、大きなゲームに成長している。(とけいそう)


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