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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.772:余りにも傲慢な解釈変更
2014年1月1日分

韓国では沈没船の船長他が殺人罪で逮捕になった。いかなる場合でも人には守るべきルール
があるとの考えが横たわる▼規範とか、規律とか、倫理とか、様々な言葉はそのようなルール
のあり方を示す。一方、流動する社会は永遠不変のルールを好まない。だから変更に備えて、
その手続きも用意する▼安倍晋三首相は5月15日、集団的自衛権を容認したい旨の発言をし
た。他国が武力攻撃を受けた場合に、駆け付けて救援(軍事行動に出る)したいという。他国と
は友好国を指す(現状では米国)。米国は世界中に軍隊を展開しているから、駆け付ける地域
は特定できない。一方攻撃は中国からか。それともロシアからか▼歴代内閣は、このような大
変更には憲法改正が必要としていた。つまり憲法96条に基づいて衆参両議院それぞれで3分
の2以上の賛成をもって発議し、国民投票の過半数で変更するのである。しかし、今回は内閣
の決議だけで行おうとしている▼平和主義の大理想を謳う憲法は今も多くの支持を受けてい
る。それを閣僚だけで変更できるとの考えは、国民不在でないか。あまりにも傲慢な思考にも
見えてくる。規範や倫理など、不都合になれば勝手に変えればよいとの考えに見える。円熟し
た日本では国論を2分する騒動にはならないであろうが、ルール無視の考えは、この国から重
要なものを失わせてはいないか▼戦後70年経過した。軍備に対する国民感情も変わっている
のかもしれない。そうであれば、96条に基づいて憲法改正を発議するのが王道であろう。(とけ
いそう)




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