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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.805:中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授
(10月11日分)


ノーベル賞受賞の朗報が届いた。青色発光ダイオード(LED)の発明で、赤崎勇名城大教授
(85)、天野浩名古屋大教授(54)、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)の
3人が受賞した▼LEDは熱を出さないから消費電力が少なく、耐久性が高い。青色の発明で
全ての色を人工的に作り出すことができることになった。今ではディスプレーなど広く普及。市
場規模は何兆円にも拡大しそうである。当初からノーベル賞は確実と期待されていた▼中村さ
んは日亜化学工業梶i徳島県阿南市)勤務時代に青色を作り出した。だが会社からの報奨金
は2万円にとどまった。中村さんはこれを不服として提訴。東京地裁は発明の対価を約604億
円と算定したが、請求額が200億円だったため、200億円の支払い命令を出した。当時のわ
が国では、研究成果の帰属は会社か研究者個人か、で紛争が重なっていた。中村さんに認め
られた額は最高額であった。判決後の記者会見で「低い金額だと日本中の技術者にショックを
与える。ほっとした」と語っている▼結果的には中村さんは8億円で和解し、招きに応じて渡米
する。貴重な頭脳流失であった。同社は「日本人が受賞したことは大変喜ばしいことです。とり
わけ受賞理由が、中村氏を含む多くの日亜化学社員と企業努力によって実現した青色LEDで
あることは、誇らしいことです」とコメント。だが対応の狭隘さを指摘する向きもある▼研究成果
の帰属を巡る中村さんの一石は、ノーベル賞の受賞で報いられた。(とけいそう)

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