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悠久録(過去の悠久録はこちら)
は続きを生きる
(1月17日分)
宮中での歌会始が14日行われた。お題は「本」。入選作の一つに最年少の中学3年生小林理
央さん(横浜市)の作品「この本に全てがつまってるわけじゃない/だから私は続きを生きる」 が際立っていた。若者の清冽な生命力が満ちている▼その一方で少子化はとまらない。最近 では新生児が1年間ゼロだった自治体も出てきた。日本創生会議(増田寛也座長)は、人口移 動が無くならなければ消滅の可能性が生じる自治体は全国で896市区町村と推計。2040年 には、39歳までの若年女性は現状に比較して大幅に減少、新生児は激減するという。政府 は、こうした事態を何とか食い止めたいとしている▼だが本県でも消滅の可能性ありと指摘を 受けた市町村は少なくない。列挙すれば柏崎、新発田、加茂、十日町、村上、妙高、五泉、佐 渡、魚沼、胎内の各市。田上、阿賀、出雲崎、湯沢、津南の各町。刈羽、関川、粟島浦の各村 などである。いずれも若年女性の減少割合は40年までに50%を超える。中には80%を超える 村もある▼社会が豊かになり生産性が上がってくれば人口増加は鈍化する。だが人口増を前 提にした社会のありかたや学問の理論、とりわけ経済学での成長の理論は、すぐには転換で きない。現在はその転換点にあるとしても軋みは大きくなる。成長が鈍化すれば、富の分配は 将来ではなく今すぐに行うことを求める。振り込め詐欺、一方的なストーカー事件なども頻発す る▼それでも先に紹介したような命の輝きがある。このような若い命を大切にしたい。(とけい そう)
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