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(3月31日分)
少子高齢化や経営環境の厳しさから後継者難の声がある。子どもがいても、後を継ぐ意思が
ないケースもある。仕方がないから社内で、と思っても踏ん切りはつきにくい▼いっそ社外から とも考えるが、適切な人材は容易には見つからない。名誉職に祭り上げられて無視されたら、 などと余計な不安がよぎる。保有株が5割を切っておれば、なお一層不安だろう。さりとて5割 を超していても、創業社長の悩みはなお一層深まる▼叶瘢曹ワいたけは創業家が6割以上の 株式を保有していた。だが、迎え入れた新経営陣と対立。不正経理もあってとうとうTOBに発 展した。6割の株式を持っていたのに、メインバンクにも見離されて、同社は外資の系列に入 る。上場も廃止になる。創業者は憤懣やるかたない▼椛蜥ヒ家具の争いも世間の耳目を集め た。創業者である父に対して、その娘は父の経営方針を否定。新たな戦略に出るという。両者 とも保有株式は5割を切っていたから、自分の方針を貫くには5割以上の株式が必要になる▼ 委任状合戦になり、娘の現社長が多数を握った。父娘の争いを諌め、仲直りを勧める株主も いたと聞く。だが、創業者の父は舞台を去る。いずれ先人は道を譲らねばならないと分かって いても、想いは単純ではない▼後継争いは一歩間違えると泥沼化しやすい。それでも後継者 は早く決めなければならない。自分の考えや方針を伝え、会社という公器を託す準備を怠って はならない▼今日は年度替わりの日、悲喜こもごもの移ろいの中に、新たな決意が生まれる。 (とけいそう)
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