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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.850:粒粒辛苦

(5月2日分)

大型連休(ゴールディンウイーク)が始まっている。気候の良いこの時期の休日は、野に山に
行楽の人出でにぎわう。だが昔は休みも少なく、ひたすら働いたものである。自らは「粒粒辛
苦」(りゅうりゅうしんく)を当然と考え、海外からは「ウサギ小屋のような家」に住む「働きバチ」
と揶揄されて、休みもろくにとらずに働いた▼連休は国民の意識を変えてきたのだろうか。太
平洋戦争が終結した後、昭和23年7月に「国民の祝日に関する法律」が制定になった。このと
き天皇誕生日(4月29日・現在は昭和の日)と憲法記念日(5月3日)が一時期に集中した。こ
れが誕生の端緒になった▼たまたま5月1日は労働者の祭典メーデーである。多くの企業にと
って実質上お休みだった。労働運動が盛んな時期である。労働者はこぞってメーデー会場へ
出かけたのである。法律による休日にメーデーが挟まり、さらに日曜日が挟まった。休日は連
続することになる。海外から働き過ぎと揶揄され、異端児視されるほど勤労意欲に燃えていた
日本人は、休みの楽しみ方を知らなかった。しかし、次第に休むのに慣れてきた▼つれて日本
人の意識も少しずつ変わった。海外からの批判に負けたわけではないだろうが、とうとう土曜
休日制が普及して、いっそう休みが増えた。さらに法律が改正になって、祝日を月曜日に変え
た。変更できない特定の祝日が日曜日と重なったときは月曜日に移すことになった(ハッピー
マンデー制度、振替休日など)▼だが今の豊かさは、「粒粒辛苦」の結果であることに変わりは
ない。(とけいそう)

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