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No.855:水族館のイルカ


 新潟市水族館・マリンピア日本海(新潟市中央区西船見)ではイルカショーが人気である。巨
大なイルカが水しぶきを上げて芸をする姿は感動的である▼だが残酷であるという。世界水族
館協会(WAZA)は和歌山県太地町からのイルカ入手をやめるよう、禁止勧告を出した。日本
動物園水族館協会(JAZA)はこれを受けいれるという。だが記者会見では不満たらたらであ
る▼「(太地町の)イルカの入手が困難になったことで、日本の水族館は極めて不利になった」
とし、「WAZAに海外の反捕鯨団体からの圧力があったことは間違いない」と話す。「どこが残
酷なのか」とも語り、水族館からイルカが消えていくことを憂慮する▼太地町のイルカ漁は伝統
の産業である。海外の自然保護団体からの反発を受けているが、伝統産業は簡単には消え
ない。どうやら販路を押さえようとの戦略のようである。水族館からイルカが消えればその魅力
は減る。寂しくなる▼世はペットブームである。様々な生き物を可愛いがる人は多い。容姿の
良いイヌやネコが町を闊歩している。動物と人間が睦みあう姿は、何ともほほえましく、心を癒
してくれる。イルカもそのようでありたいが、自然界から捕獲して見世物にする行為には人間の
不遜さ、傲慢さが内在する。そこを自然保護団体はついてくる▼環境の保全を叫びながらも、
人間は自然界に乱暴に接することがある。イルカのショーを観る愉しみと、大自然に遊弋(ゆう
よく)する生きもの達の狭間をどうするのか。人間の英知が試されている。(とけいそう)



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