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(10月3日分)
満月に祈ると願いがかなうという。財布をかざすとお金がたまる。振っても良い。月明かりが財
布の奥まで届けばなお良いとか。さらにダイエットを願うには、次第に小さく欠けていく満月のと きが最適という。いずれも根拠が曖昧であるが、満月への憧憬を感じる▼過去には戦国時代 の武将・山中鹿之助、江戸時代の侠客・国定忠治、小説『金色夜叉』の貫一など、みな満月に 祈って誓いを立てた。そして庶民の絶大な共感を得た。満月には願いをかけたくなる魅力があ る▼月の満ち欠けを1ヶ月の基準とするのが陰暦である。日本人は明治の初めまで陰暦を採 用してきたため、月の満ち欠けはことさら身近である。月の呼称も「名残の月」「立待月」「居待 月」「十五夜」「十六夜」「月の兎」など枚挙に暇がない▼陰暦の1日(ついたち)は満月に向かう 初日である。「月が立つ」と呼称し、これが転訛した。「ふつか」「みっか」とは異なる。日本の自 然を表現する「雪月花」には月はあるが、太陽はない。月の満ち欠けがいかに日本人の心に 根付いているかの現れであろう▼さらに最近では「スーパームーン」が話題になった。今年は9 月28日だった。天体の軌道は真円ではなく楕円である。だから月と地球との距離は常に伸縮 する。遠近の差は最大2割近くになる。月の大きさもずいぶん違って見える。日本人が愛でて きた「中秋の名月」は、今年は前日の27日だった。名月に続いて2日間も見事な月を見たので ある▼満月はまたやってくる。願い事のチャンスは無くならない。(とけいそう)
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