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No.883:2人のノーベル賞

(10月10日分)

ノーベル賞に2人の日本人が決まった。1人は医学生理学賞で北里大学の大村智教授(80)、
今一人は物理学賞で東大宇宙線研究所の梶田隆章教授(56)である▼大村さんは、無限とも
言える微生物の世界を独自に体系化。微生物が生産する有用な有機物を発見し続けた。そ
の数は450種とも言われる。おかげで寄生虫が引き起こす病気への対策ができた。新薬が開
発され、助かった命は膨大という▼山梨大学学芸学部自然科学科に学び学位は薬学博士(1
968年・東京大学)、理学博士(70年・東京理科大学)である。だが当初は工業高校の教師と
して働いた。苦難の時代もあったと聞く。若いころは国体(スキー)にも出た。スポーツマンであ
る▼絵画収集が趣味という。韮崎市(山梨県)の実家脇に自費で美術館「韮崎大村美術館」を
建て、蒐集作品2000点あまりと共に市に寄贈した。ついでに温泉も寄付した。美術への高い
造詣から女子美術大(東京都杉並区)の理事長を今年5月まで14年間つとめた▼「人間一番
大切なことは人のためになること」と、祖母の教えを守り実践してきたという。ノーベル賞もひた
すら人のためになることを追求するなかで手にした。勤務する北里大学では創始者・北里柴三
郎博士(1853〜1931)の夢実現と喜ぶ。その開学を長岡出身の長谷川泰(1842〜191
2)が支援した。人の縁も不思議である▼一方梶田さんは、素粒子ニュートリノに質量があるこ
とを証明。半世紀近くに及ぶ謎を解明した。2人の栄誉を祝福したい。(とけいそう)

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