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No.908:生前葬


高齢化社会になって、「終活」を考える人が増えている。さらに長寿社会のためか、「生前葬」
を勧める葬儀社が出てきた。葬儀を前倒しにする「生前葬」は、究極の「終活」である▼作詞・
作曲家の小椋佳(おぐらけい)は2014年9月、「生前葬コンサート」をNHKホールで開催し
た。当時「70歳という節目を前にアーティスト活動にけりをつける」と語っている。そして「音楽活
動は定年制がない。肉体的にも精神的にも老いた」とし、だから「古希を迎えて(生前葬を)や
ろうと思った」と説明した▼小椋は銀行員であったが、日記をつけるように毎日作詞、作曲をし
た。ある日「シクラメンのかほり」がヒットする。1975年の第17回日本レコード大賞ほか大型タ
イトルを総なめにし、翌年のコンサートではTV視聴率が40%を超えたという。圧倒的な人気だ
った▼お笑いタレントで映画監督のビートたけしも、2009年に生前葬をTVで行った。「生まれ
てきたことに懺悔。すみませんでした」と頭を下げて爆笑を誘っている。「葬儀に関するコントが
いつもウケたことから思いついた」と、経緯を語る▼埼玉県秩父市には、集落あげての生前葬
がある。死者役は公募し、僧侶も住民のだれかが扮する。お経ほか、一切はアドリブである。
仏事の鐘、太鼓などが賑やかで、その音色から「ジャランポン祭り」となった。死者役を中心に
飲み明かし、五穀豊穣、家内安全を願う。既に60年の歴史があるという▼高齢化の時代であ
る。皆「終活」に工夫をしだしている。(とけいそう)


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