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No.929:憲法記念日

オーストラリアは次期新鋭潜水艦の開発に、フランスの企業を指定、共同して開発することに
した(4月26日公表)。この共同開発には日本も名乗りを上げていたことから、競争に敗れた防
衛省はあわてているようだ▼日本はインドにも飛行艇を売り込みたいという。営業強化策とし
てインド、オーストラリアの防衛駐在官を増員するとも伝わる。安倍政権はこれまでの武器禁
輸方針を転換し、原則禁止の「武器輸出三原則」を廃止。あらたに原則自由の「防衛装備移転
三原則」を制定した(2014)。日本の軍事産業は輸出を志向するほど大きくなった▼日本の
防衛は変化を続けてきた。戦争放棄の条項(第9条)もいつの間にか忘れたようである。憲法
改正は行われなかったが、解釈でどんどん変わる。憲法学者が国会で集団的自衛権を「違
憲」と断じたが、それでも流れは変わらない▼1947年5月3日施行の現行憲法は、基本的人
権をうたい、国民主権を唱えた。民主主義や言論の自由は国民の熱狂的な歓迎をうけ、自由
な雰囲気が広がった。徴兵制は廃止になった。社会の骨組みを規定する法律が憲法であっ
て、民主主義も私有財産も、自由な意見表明や行動も、その基本は憲法にある。あの当時、
世の中が大きく変わったのは確かだ▼以来70年近く憲法改正の声はあっても、その理念はゆ
るぎないようである。だが、その明確な意志から見ると潜水艦の受注競争に参加していた現状
は、いかにも大きなかい離に見える▼今日は憲法記念日。初心は遠くなったかのようである。
(とけいそう)

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