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No.932:白いツバメ

白いツバメがいる。昨年生まれたという。西正憲さん(高野町)が撮影した写真が先日の本紙
に載った。巣立ちを控えた数羽が車庫内の電線にかわいらしく並んでいる。そのなかの1羽が
白い▼ツバメは古来人に愛されてきた。人家の軒先など毎年同じ場所で巣を作り、ヒナを育て
る。人が大勢いる場所は安全と考えるらしい。田植えの時期には、田んぼの上を忙しく飛びま
わる。ヒナが孵(かえ)ればさらに忙しげである。けなげな行動が人の心を引き付ける▼低空で
飛ぶ姿は敏捷そのもの。スピードが速く目で追いかけるのに苦労する。フィリピンやマレーシア
など南方との間を季節ごとに往来し、1日に300`bは飛ぶという。人と共に生きている鳥で
ある。だが最近は嫌われることが多いのだろうか。時にはツバメの巣を壊すことがある。大き
な建物の軒先に並んだたくさんの巣を、一斉に壊したケースも聞く▼原因の多くは糞にある。ヒ
ナが孵ると大量の糞を巣の直下に落とす。これではヒナの場所は丸見えである。用心深い種
類は親鳥が遠くへ捨てに行くのであるが、ツバメは安心しきっている。糞よけにダンボールを
置いたり、駅などでは看板を立てたりして、注意するしかない▼だがツバメは安全と判断した
場所にしか巣を作らない。だからツバメが来る家や街は安全なところであり、幸福なところであ
る。全てと共存できる幸福をツバメは運ぶ。ヒナが孵るのは5月と7月の2回。白いツバメは今
年も生まれるのだろうか▼「いっせいに喉もと反らし燕の子」(鷹羽狩行)。(とけいそう)
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