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No.937:セコイ東京都知事舛添要一氏


民俗学者の柳田國男(1875〜1962年)が「昔」と言う時は、江戸時代よりも前の時代を指し
ていたと聞く。「日本人とは何か」をテーマに全国を調査。文化勲章(51年)、勲一等旭日大綬
章(没後)を受けた柳田にとって、戦国時代以前が「昔」である。江戸時代以降が「今」であった
▼だが現代は忙しい。数百年前のことを「今」として把握することは難しく、ここ数年がせめても
の「今」であろうか。過ぎたことを振り返らず、馬車馬のように走り続けているのが現代人であ
る。昨日のことも「昔」になりかねない。せめて今の立場に就いた日以降を、「今」として有為な
日々にしたいものである▼さて、東京都知事舛添要一氏のことである。政治資金を巡る公私
混同で批判が集まっている。公用車で別荘へ毎週通ったとか。家族旅行の宿泊費やお土産代
金を政治資金で支払ったとか。更には、飛行機やホテル代が高すぎるとか。不明朗会計として
喧々諤々(けんけんがくがく)である。しかし何やらセコイ。政治家を巡る疑惑は少なくないが、
そうした事案にはみられないセコさである▼舛添氏は、知事就任時に、「政治は強者のためで
はなく弱者のためにある。これが私の政治哲学だ」と語っていた(14年)。だが、東京都知事と
して弱者のために何かしたのか、との指摘がある。舛添氏にとって現職に就いた2年前は既に
「今」でなく、遥かな「昔」になったのであろうか▼「初心忘るべからず」と言うが、オリンピックを
控えて、日本の顔がセコク見えるのは情けない。(とけいそう)


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