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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.941:イチロウ選手の妙技

悠久録(6月18日)掲載

あの長嶋さんは9対0で巨人が勝っている九回表の守備で、相手チームのゴロに猛ダッシュし
た。だがトンネル。これに観客は大喜び。白けた試合が俄然オモシロク終わったという▼イチ
ロー選手も工夫する。守備のときは、一塁上の相手ランナーを三塁まで走らせ、自らの強肩で
刺すという。こうなれば観客は沸く。いずれも「ウケ」を狙った一流アスリートのプレイである。ス
ポーツの世界ではこのような「ゆとり」が、観客を沸かせる▼だが政治の世界では「ゆとり」を持
ちにくいのだろうか。意見が過熱すると過剰な反応に出やすい。イギリスでのジョー・コックス下
院議員銃撃は、その一例だろう。EU(欧州連合)に残留するか、それとも離脱するのか。同国
は23日に国民投票を実施する。影響が甚大のため世界が注目しているが、意見は拮抗、予
断を許さないという。日本では株安、円高が進み市場は安定しない▼そうしたなかでの残留派
の論客へ、テロが牙をむいた。議員は42歳の誕生日を6日後に控えていたが死亡。民主主義
への攻撃として、非難の声は高い。賛否の論争のなかで、イギリス社会は「ゆとり」を失ってい
ったのだろうか▼日本もサリン事件などテロの経験がある。それでも最近は落ち着いている。
安保法案も先鋭な対立にならなかった。そしていよいよ、18歳以上も選挙権を持つ。未来を担
う若者の早い時期での参政が実現する。それは政治への感性を鍛え、余裕のある行動を育て
るだろう▼どんな「ゆとり」をもたらすのか。その成長を楽しみたい。(とけいそう)

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