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No.959:オバマ大統領の演説

アメリカのオバマ大統領は演説がうまい。論旨は明快で無駄がなく、心に沁みる。就任早々の
2009年4月、首脳会談のためチェコの首都プラハを訪れたときも、歴史に残る演説をした▼
オバマ大統領は「核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、行動する道義的責任
がある」と語った。だから「米国が先頭に立ち、核兵器のない世界の平和と安全を追求する決
意である」と明言。後年「プラハ演説」と呼称され、ノーベル平和賞を受賞する要因の一つとも
なったのである▼当然日本への訪問は脳裏にあっただろう。だが、紆余曲折が続いた。米国
は大国で多様な人種のるつぼである。国民の意見は多様である。それでも伊勢志摩サミットに
合わせて5月27日、オバマ大統領は広島を訪問した。原爆投下について謝罪しないことは事
前に発表になっていたが、それで十分だった。広島平和記念資料館(原爆資料館)の展示から
原爆の実態を知れば、核廃絶への一歩が開けるはずである▼オバマ大統領はこの時も演説
をした。広島の子供達が平和な日々を生きていることを指摘し、「この生活は、守る価値があり
ます」と断言。「全ての子供達に広げていく必要」を語った。「未来において広島と長崎は、核戦
争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地として知られることでしょう」と結んだ▼オ
バマ大統領の演説は恩讐を超えた先を見詰めている。だがその傍らにも核の発射ボタンが待
機する。理想が実現するためには、多くの難問がある。今年も原爆の日が巡ってきた。(とけ
いそう)
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