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愛縁奇縁
No.107:消費税再引き上げは無理である

〇政府は消費税率の再引き上げに向かって、何やら一生懸命です。盛んに景気の良さを喧伝
しています。
でも実態はどうなのでしょう。
本年4―6月期の実質GDPはマイナスでしたが9月8日、内閣府は修正血を発表して、年7・
1%減に修正しました。(当初よりもマイナス幅を拡大)。状況は決して良くありません。
さらに個人消費も悪いのです。GDPの6割を占める個人消費は5・1%減に、設備投資は5・
1%減に、それぞれマイナスを拡大しました。

〇10月1日には日本銀行が9月の短観(全国企業短期経済観測調査)を発表しています。
短観は企業へのヒアリング調査をまとめたものです。実数を組み立てていくGDPとは、判断基
準が異なりますが、それだけに企業経営者の心理が反映され、実情把握には役立つもので
す。
結果は極めて特徴的でした。大企業が良化しているものの、中小企業の悪化が目立ちます。
さらに製造業が良く(なかでも大企業製造業が良い)、これに反して非製造業が悪い結果で
す。
一般的な見方は、消費税増税の影響が非製造業に続いているためとし、大企業は円安の影
響を受けているからとのようです。それだけなのでしょうか。

〇円安のおかげで大企業が良いのであれば、ソニーはなぜ経営不振に陥ったのでしょうか。
実は円高時代が続いたおかげで、多くの企業は為替の影響度を低下させてきました。経営体
質の改変に成功しているのです。今はむしろ、円安による輸入価格の上昇がダメージになりつ
つあります。
だから貿易収支は赤字になりました。貿易収支は過去2年以上にわたって赤字が続いていま
す。8月は9485億円の赤字だったのです(財務省)。
毎月1兆円の国富が流失していることは恐ろしいことです。

〇安倍総理は株が高くなっているではないかといいます。だがその裏で、日本銀行が大量の
買い入れを実行しています。日本銀行による株買い入れは8月が1236億円でした。毎月の
株式市場テコ入れの結果、日銀はすでに東証株式の7兆円を保有するといいます。時価総額
は約480兆円ですからその2%弱をすでに買い込んでいることになります。これは日本で最大
の日本株保有者です。
もちろん国債の買い入れも続けています。日銀によるこのような大量の買い付けは市場に円
資金を放出することになります。結果として円は過剰になり、円安がすすむことになります。
どこかの時点で修正したくなっても、かじ取りが効かなくなるくらいに、日銀の円放出は大きくな
りました。

〇このような状態では、正常な投資活動は起きません。日本経済は大きな分岐点に差し掛か
っています。なんとか消費税率の再引き上げだけは止めて欲しいものです。
円安を標榜し、物価高を目指す現政権のもとで、日本はこれからも国富を失っていくようです。
(黄色い風見鶏)



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