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愛縁奇縁:既往目次
No.151:北越と第四の経営統合
それでも安穏な日本


○北越銀行と第四銀行の経営統合はビッグニュースだった。
北越銀行は長岡に根を張った歴史ある銀行である。それにもかかわらず、新潟市の銀行との
統合を選んだ。市内には大光銀行もある。長岡経済界を発展させるためにも、地元での存立
の道はなかったのか。
存立基盤である長岡財界を切り捨てるような動きに見えるし、第四銀行の戦略に乗せられた
かの印象も受ける。

○アベノミクスによって銀行経営は厳しくなっている。何しろ資本が価値を生まない。金利ゼロ
またはマイナスの時代である。お金は持っていても増えることはない。何かに投資すればよい
のであるが、さて何に投資をすべきか。
 アベノミクスの本来の趣旨は、低金利を活用して新規事業なり設備投資の需要を喚起するこ
とである。銀行貸出は推奨である。だが実態は少し違うようだ。
事業会社は資金を使うことを控え、手元資金を増加させてきた。ここ10年の増加額は顕著で
実質借入金ゼロの企業が増加している。上場企業の手元資金は2015年度末109兆円(前
年度末比2%増)と過去最高を更新した。
手元資金が有利子負債より多い「実質無借金」企業の比率は0・5ポイント増加し56・1%にな
っている。日本の企業の半数以上はすでに無借金会社である。

○バブルが弾けてからこのかた、企業は財務バランスの改善に努めてきた。不急の債務をい
かにして解消するか。おかげで銀行には資金が集まるが融資は増加しない。
 何とかお金を使わせる道はないのか。投資でも消費でも構わないのである。大きな消費活動
が起きれば、それだけで物価が上昇し、デフレ経済は終焉する。インフレは経済活動を活発
化する。だがそうならない。企業は再生産しない投資を好まないからである。
マイナス金利の誕生はアベノミクスの政策が生んだ。だがその背景には資金が価値を生まな
い時代への予感があり、条件が整っていた。海外でも金利は低下していた。
マイナス金利も生まれたが、逆に国債市場は機能しなくなった。国は資金の地域偏在を調整
するよりも、社会保障などのサービス分配機能を重視するようになっている。

○そうしたなか、長岡では花火財団をスタートさせた。
伝統の三尺玉は、財団の手でこれからも守られていく。フェッニクス花火に代表される大型の
ワイド花火やミュージック花火は、ますます盛んになる。盛大に打ち上げる花火は消費活動の
象徴である。再生産を考えない消費はこれからの時代にピッタリであろう。
他では見られない絶好のロケーション(信濃川河川敷)を持つ長岡は、花火文化に多くを費や
すことになる。それこそが財団の役割になる。花火財団の手で三尺玉は時代のシンボルにな
り、ますます盛んになるだろう。
長岡は期せずして時代を先取りしている。
(黄色い風見鶏)



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No.150:北朝鮮国籍の金正男氏の暗殺
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