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○安倍晋三首相が28日の臨時国会冒頭に衆議院の解散を表明。今回の解散は「国難突破解
散」であるとした。10月10日公示、22日投開票となる。選挙結果で与党が大勢を占めれば安倍 一強はさらに強化され、憲法改正は確実に視野に入るだろう。
対する野党は、国会の場で加計学園問題などおおいに攻めたかったようだ。準備も間に合っ
ていないのか。「大義が無い」との批判が多い。与党内部からも同様の意見がある。
○だが、喫緊の課題は山積している。少子高齢化とそこからくる人口減は目の前の危機であ
る。このままでは中山間地など、地方の生活圏は維持が困難になる。
北朝鮮との関係は最悪の辞退になろうとしている。日本が巻き込まれることを防ぐ手段は限ら
れている。核兵器やミサイルなどの兵器は、従来の概念ではとらえきれないものだ。日本が簡 単に紛争に巻き込まれそうな課題が山積する。
「大義が無い」と言っている暇はあるのだろうか。
○その克服に首相は、「人づくり革命」そして「生産性革命」で乗り越えようとするかのようだ。
「人づくり革命」の費用は消費税率引き上げ分を教育費(子育て世代への投資拡充)に回して
賄う。「生産性革命」のためにロボット、IoT(モノの インターネット)、人工知能など最先端イノ ベーションへの投資を支援する。この結果、赤字国債が増額しても日銀引き受け(アベノミク ス」)で確実に対応できる。財政改善を棚上げもしくは10年単位での先延べ(実質上、あきらめ る)とすれば、軍事予算も賄うことができる。北朝鮮のミサイルにも対抗できる。
そのような思惑が透けて見える。
○こうした考え方の背景には、「アベノミクス」による極端な金融緩和政策のツケ解消をあきら
めたことがあるようだ。
日銀は国債の実質引き受けや株式買い入れなどで、現在は、国内で最大の金融資産を保有
している。異常事態である。これを正常な形に戻す(いわゆる出口政策)には、もはや時期を 逸しているかのようだ。
だが今は2%のインフレも生じていない。それでも円安・株高が実現した。ならば強いて出口政
策は必要無いと考えているのか。
○新潟5区の補選は消え総選挙である。野党3党(民進、社民、共産)は前魚沼市長の大平悦
子氏を推す。大平氏は25日記者会見を開き、無所属での立候補を表明。会見には民進、社民 両県連と連合新潟の幹部が同席し、協調体制を誇示した。
自民党本部は前新潟県知事の泉田裕彦氏を推したいようであるが、地元では異論も多い。26
日現在確定していない。
一方で、「希望の党」(代表=小池百合子東京都知事)がスタートした。と思った矢先に民進党
が合流するという。同党はこのままではジリ貧と考えたのか。「オール野党」態勢で何としても 自民党政権を打倒したいとの強い想いであろうが、驚くべき決断である。
政治の世界は一寸先が暗闇とはよくぞ言ったものである。
○それでも課題は明らかである。原資の確保策を含めて議論の余地は少ない。与野党は正
面切って政策を論議しなければならない。良い機会である。
(黄色い風見鶏)
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