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田宮 朋子選
六月の特選
長岡市 空き室にカーテンかかりIターンか Uターンか知らねどわれ歓迎す
【評】空き室だった集合住宅の一室に、カーテンがかかり、新しい人が入居しました。その人が
Iターン(都会から地方に移り住むこと)してきたのか、Uターン(地方で生まれ育ち、都会に進
学就職した人が故郷に移り住むこと)してきたのかは知らないけれども、歓迎する、と作者は 言います。少子高齢化で人口減少が続く昨今、新たな住人のふえることを喜ぶ気持ちが、具 体に即して表現されています。
佳作
長岡市 噛みしめてゐる師の言葉「心意気」 死ぬまで捨てじ胸内詠むこと
長岡市 田仕事の移りゆくさまながめつつ 少女の頃をふと思い出す
長岡市 悪い所はっきり言うて大丈夫 そう言い話すお互いさまと
長岡市 ピンク濃き三葉躑躅が庭を染め 一本挿し木す来年のため
長岡市 古里に帰りたくなる母の笑む 顔が見えくる淋しき雨に
長岡市 雪深き地へ君は行き新緑の 季節となりて空席寂し
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