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長岡新聞:中越地震から15年
災害対策に先端技術を導入

 中越地震から15年を前に9月26日、磯田達伸市長は会見を開き、先進技術を活用した災害
に強いまちづくりの推進を発表した。
 長岡では、中越地震での経験を活かし国内外での災害での支援を展開している。災害直後
に市職員らが現地に入り避難所の運営方法などを伝えたり、支援物資を送ったりといった中
越地震で得たノウハウを生かした活動は、被災地から高く評価されている。最近も台風15号で
大きな被害が出た千葉県館山市に、液体ミルクを提供するなどした。
 災害に強いまちづくりを進めるために、重要なライフラインである水道の復旧活動や、災害
現場の迅速な情報収集活動などで新技術の導入をする。磯田市長は「災害時の支援をする
中で、長岡のノウハウがさまざまな場所で役に立っている。しかし、震災から15年が経ち、当時
の教訓だけでは対応できなくなった。新しい技術で防災や災害対応が、どれだけできるのかが
今後の課題になる」と語った。

水道の迅速な復旧のために共有システムを構築

 水道の復旧活動では、被害状況や復旧の進捗状況など現場からの情報を、瞬時かつ視覚
的に情報共有できる「水道管路情報即時共有システム」を県内で初めて導入する。位置情報
や写真といった情報をタブレット端末に入力することで、水道局内のパソコンなどで把握するこ
とができる。
 中越地震の際には、「例えば太田地区であれば、水道局から30分かけて現地に行き確認し
て、携帯電話が使えない状況だったため、また30分かけて戻って情報を伝える必要があった」
という。同システムの導入により、水道局やほかの現場にいる職員が情報をすぐに共有できる
ため、復旧活動においても大きな効果を発揮するとしている。
 システム構築は10月から始め、来年4月からの運用開始を目指す。システムや通信環境構
築のための事業費として、約3900万円を見込む。

ドローンの導入や災害対策用3D地図の開発も

 また、災害現場での情報収集のために消防本部でも、ドローン2機の導入をする。中山間地
で災害が発生すると、土砂災害現場に消防隊員らが簡単に近づくことはできず状況の把握に
手間取る例も多い。このため、上空からの情報収集に加えて、捜索や救助活動が可能となり、
さまざまな場面でドローンが活用できるとする。
 このほか、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」から委託を受けた民
間企業による災害対策用3D地図の開発に、中越地震での経験による知見の提供も進める。
 磯田市長は「中越地震からの復興は15年かけて、ほぼ達成されたと考えている。大きな被害
を受けた中山間地では、人口減少を始めとした新たな問題が出てきている。災害時の新たな
問題ともなっており、先進技術を取り入れることで対応していきたい」と話していた。


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