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夏まつりの時季が来た
市内のあちこちで祭ムード満喫

 市内のあちこちで夏祭りが賑わった。8月14日から16日の3日間は和島地域で「わしままつ
り」があり、伝統の六夜祭りで「弓踊り」が行われた。古式豊かな伝統行事に、住民は総出で参
加。今年の夏を惜しんでいた。
 三島地域では8月15、16日、「三島まつり」が繰り広げられた。子ども達の吹奏楽はジャズを
軽やかに演奏し、ステージイベントを楽しんでいた。地域特産の森林資源と伝統産業の脇野町
鋸(のこぎり)を活用した「丸太早切選手権」では、2人が1組になり2bもの鋸で樹齢110年の
杉の丸太を切った。大きな杉の丸太に挑戦する熱気で、会場は盛り上っていた。
さらに21日は小国地域で「もちひとまつり」が行われた。「もちひと」は後白河天皇の第三皇子
以仁王(もちひとおう)のこと。平家を打倒しようと立ち上がったが失敗。小国まで落ち延びてき
たとの伝説に基づく。平安時代末期の装束の行列に古代のロマンが漂っていた。さらに伝統
の巫女爺踊り、法末神楽舞などがあった。
 そして栃尾でも8月27、28日の両日「とちお祭」が開催になる。花火の打ち上げもあって長岡
の夏は熱気につつまれている。

和島地域で「わしままつり」
宇奈具志(うなぐし)神社では六夜祭(ろくやまつり)開催

8月14日〜16日の3日間、「ふるさとわしままつり」が和島地域で開催になった。14日は花火大
会のほか昔なつかしい盆踊大会、15日は道の駅良寛の里わしまを会場にステージイベントが
行われた。夕暮れ時にはたくさんの竹籠灯が点火され幻想的な世界を演出。会場を訪れた観
光客を魅了していた。
最終日の16日夜はメーンイベントである伝統の六夜祭だった。宇奈具志神社(島崎4753、宇
木茂樹宮司)から出田(いずるだ)神社まで行列が歩む。戻りの行進には「弓踊り」が登場。長
岡市の無形文化財である伝統の踊りで、少年たちが天に向けて弓を射る勇壮なものである。
行列が通る道筋は明るいライトなどは設置せず、通り沿いの民家と提灯の灯りだけが照らす。
その暗さが行列を一層幻想的に見せていた。

提灯の灯りで幻想的に

 六夜祭(ろくやまつり)は「わしままつり」の中心イベントである。宇奈具志神社から「はちすば
通り」を抜け、出田(いずるだ)神社までの往復を練り歩く。行列には地域住民が子どもから大
人まで、それぞれが半被や神職の衣装をまとって参加。天狗や神輿をはじめ、御神馬(2人)、
馬曳き(20人)、花篭(16人)、太刀持(8人)、鉄砲持(8人)、剣持(2人)、長刀持(2人)などに
扮して行進する。これに弓踊り16人がつく。昔のままに、地域住民が大切に代々引き継いでき
た恒例の伝統行事である。
 行列の目的地である出田神社は周囲が田んぼで、境内には蝋燭が並び美しく浮かび上がっ
ている。宇木宮司が祝詞奏上を執り行った。花火が盛大に打ち上がると行列参加者は「これ
が楽しみ」と、喜びの声が聞こえて、祭りは最高潮に達する。
出田神社から宇奈具志神社に引き返す際に、見どころの一つである市の無形文化財指定「弓
踊り」が行われる。同踊りは、赤い伝統衣装に身を包み、顔を白塗りした男子中学生がお囃子
に合わせ弓を射る仕草で踊る。
宇奈具志神社は平安時代の鎮座とされるが詳らかではない。明治期に諏訪神社、天王社を
合併して現在の名称になったとされる。

無形文化財指定「弓踊り」を中学生男子が舞う

「弓踊り」は出田神社から宇奈具志神社に到着するまでの復路、約1時間を舞い続ける。そう
とうな体力を必要とする。見物人や地域住民が拍手を送ったり、「頑張れ!」と声援をかけたり
して、励ます。16人の男子中学生は汗を流しながらも地域の伝統の弓踊りを立派に踊り抜い
た。
 弓踊りに参加した木村昭太さん(14)は、「身体を反る踊りで、結構体力がいる。皆に合わせ
てきれいに踊りたい」と意気込んでいた。保護者の1人は、「(まつりには)毎年参加している。
嫁に来なかったら知らなかった。小学5年の息子がいるので、2年後が楽しみ」と話し、提灯片
手にうちわであおっている。
今年が最後の弓踊りになった3年生の若山詩音さん(15)は、「全体を通して今までで一番良か
った気がする。3年間伝統的な踊りを舞うことで地域の伝統を伝えることができた」と笑顔を広
げた。
同踊りは、中学1年から3年の男子生徒だけが踊ることを許される。このためは同地域の長岡
市立北辰中学校(島崎5687)が、毎年1学年の授業で弓踊りの練習を取り入れている。さら
に祭り行列で「楽人(がくにん)」をつとめる地域住民が講師になって、笛や太鼓も教える。
地域挙げての練習成果が六夜祭に結実する。

伝統を繋ぐ

弓踊りは、全国的には数少なく大変珍しい踊りである。しかも何時、どんな理由で、何を模して
踊られるようになったかは不明であるという。
一説には、長野県諏訪神社から伝わったという。島崎の地で田んぼに水引をする際に争いが
起きた。このときある行者が、「争うパワーがあるのなら村を盛り立てろとの助言で始まったと
も伝わる。
 楽人で太鼓を40年以上続ける島崎在住の早川秀一さん(70)は、親子3代で伝統を継承して
きた。父の秀五郎さん(故人)は、氏子巡行担当総代をつとめ、息子の秀弥さん(40)は現在楽
人で笛を担う。早川さんは、「子どもたちが一生懸命踊っている姿は、胸に熱いものを感じる。
今あるものをそのままに、間違えのないよう後世に繋いでいきたい」と地域の伝統文化に思い
を込めていた。
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森氏が中越地区の事務所開き
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