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地域の話題
東京電力ホールディングスの数土文夫会長と広瀬直己社長が5日、県庁を訪れ米山隆一知
事と初めて会談した。米山知事は、柏崎刈羽原発の再稼働について「現状では認められない」 と伝えるとともに、課題となっていた放射性物質を含む浄水場の汚泥処理に関しての合意もさ れた(原因は福島第1原発事故とみられる)。
昨年10月の知事選で、柏崎刈羽原発の再稼働に対し、「福島第一原発事故などの検証がさ
れない限り難しい。現状では認められない」と泉田裕彦前知事の路線を継承する米山知事が 当選。再稼働を目指す東電は、米山知事との早期の会談を要望していた。昨年末に会談は予 定されていたが、福島県沖で発生した地震と県内で相次いだ鳥インフルエンザ対応のため2 度に渡り延期されていた。
3点の検証に東電が協力
この日の会談は、約15分間で全てが公開された。冒頭、米山知事は@福島原発事故の原因
A事故が住民の健康と生活に与えた影響B事故発生時の安全な避難方法――の3点の検 証がなされない限り、「再稼働の議論はできない」とし、「現状において、県民の命と暮らしが守 られると考えることは困難であり再稼働は認められない」と述べた。
数土会長は「知事から求められた3点の検証に誠心誠意、対話を通じて対応したい。原発事
業を行う企業として、第1の利害関係者は地元の方々だという原点に立ち、その意思や意向を 重要視していく。それが厳しければ厳しいほど、我々にとって有効なものだという気持ちで対応 していく」と応じた。
検証体制について米山知事は、現在の技術委員会や合同検証委員会は「基本的に事故原
因や技術的なことについてやっていると認識している」とし、「健康と生活、避難方法の検証の ために態勢の拡充が必要となると考えている。検証の行程表も合わせて示していきたい」との 考えを示すとともに、東電に情報提供などの協力も求めた。検証にかかる期間としては「現時 点では、どのぐらいかかるかは分からない。ただ、多岐にわたることであり、数年はかかると予 想している」と述べた。
広瀬社長が「メルトダウン隠しの問題について調べており、報告も近々したい。知事には機
会があれば、福島第1原発の現状を見てもらい、その上で柏崎刈羽原発にも来てほしい」と話 すと、米山知事は「視察はぜひしたい。スケジュールの都合もあるのですぐにとはいかないが、 調整をさせてほしい」と答えた。
汚泥処理の進展も
また、浄水場の汚泥処理問題の進展を米山知事は要請した。
汚泥に関しては昨年3月、東電が基本的に引き取ると県に回答していたが、その後に手続き
が具体化していなかった。広瀬社長は「汚泥を引き取るとの宿題に関しては、現実的な方法に ついて色々と考えてきた。事務レベルを通して考え方や方法について説明したい」とした。
会談後、米山知事は「東京電力にとって最大の利害関係者は、原発が立地する自治体住民
と言われ、ありがたく思っている。検証に関しても協力してもらえるとのことで、態勢も整ってく る」とし、「県民の命と暮らしを守るのは県知事に与えられた最優先の責務。この点については 東京電力とも一致できると思う。その上で、できることから1つひとつ進めていきたい」と語っ た。
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