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地域の話題
市立博物館所蔵品が県文化財に指定
県全体では5件が指定



 新潟県文化財保護審議会(芳井研一会長)は21日、会合を開き新たに有形文化財4件(木
造四天王立像、新潟県近代行政文書、卯ノ木遺跡出土品、行屋崎遺跡出土品)と無形民俗文
化財1件(直江津・高田祇園祭の御旅所行事と屋台巡幸)を答申した。教育委員会3月定例会
の議決後県報告示によって正式決定になる。
 今回の指定により県指定文化財は373件になる。

卯ノ木遺跡出土品1件(98点)
市立科学博物館が所蔵

考古資料として新たに指定を受ける有形文化財「卯ノ木遺跡出土品」(うのきいせきしゅつどひ
ん)は、縄文時代初期の出土品98点で完形土器1点を含む。所有者は長岡市で市立科学博
物館が所蔵する。
同遺跡は中魚沼郡津南町に所在する。信濃川上流の河岸段丘に位置し、1万数千年前から
人々が生活していたとされる地域で、一帯には縄文時代初期の遺跡が多い。
1955年同遺跡が発見され、翌56年に同博物館の初代考古部長であった考古学者中村孝三
郎氏が行った学術調査で多くの遺物が出土した。同博物館の所蔵品98点はこの時の出土品
である。
同出土品には復元が実現した完形土器が1点存在する(写真)。外側に明瞭な押型文が確認
できることから押型文土器という。押型文は模様を刻んだ楕円の木型や縄などを表面に転が
したり押し付けたりした模様である。縄文時代初期の土器で全形を復元できたのは全国でも珍
しく、市の所蔵品のうちでは火焔型土器の次に教科書など様々な場面で写真が使われてい
る。外形は丸みを帯びた逆二等辺三角形。底にかけて徐々に細くなっている。高さは約23・5
a、淵は直径約21aである。
同土器には3_ほどの穴が開いている。この穴は破損した場合の修復に用いられたようだ。
土器が割れたときこの穴を利用して植物のツルなどで縛って再度利用したと考えられている。
 同遺跡出土品(完形土器と破片数点)は、4月8日から7月2日まで馬高縄文館(関原町1)で
展示する予定である。
 
有形文化財ではほかに3件

有形文化財ではその他に3件が指定となる。
▽「木造四天王立像」(佐渡市)は彫刻で指定。持国天・増長天・広目天・多聞天の4躯。針葉
樹材の一木造(いちぼくづくり)で、4躯とも兜を戴く四天王立像は全国的にも稀である。4躯揃
った四天王像は、ほかに1例あるのみである。長谷寺(ちょうこくじ)に安置されており、10世紀
末から11世紀初めの作例とみられている。
▽「新潟県近代行政文書」(新潟市)2465点は歴史資料で指定。行政文書群で県議会や市
町村関係などの実状を追跡できるものや、山林行政の一地域の実態を明らかにするものなど
県の近代を探求するための基礎的な資料である。明治期から昭和21年までに作成され、県立
文書館に移管。非現用文書として移管された簿冊と旧相川県・旧佐渡郡役所文書が対象とな
っている。
▽「行屋崎遺跡出土品」(南蒲原郡田上町)77点は考古資料で指定。祭祀色の強い木製品や
希少な金属製品、多様性に富む土器などである。新津丘陵を望む五社川右岸の自然堤防上
に位置する7世紀後半の遺跡出土品。渟足柵(ぬたりさく)造営直後の成立で、中央の地方政
策を語る上で極めて貴重。

無形民俗文化財は1件

無形民俗文化財では「直江津・高田祇園祭の御旅所行事と屋台巡行」(上越市)が風俗習慣で
指定。現在まで続く祭礼で、直江津の八坂神社を中心に近世に形づくられた。直江津から高
田へ神輿が渡御するなど、両地区の歴史的変遷や関係性がうかがえる。さらに御餞米(おせ
んまい)奉納や屋台に伴う行事、芸能の変遷の様相が学術性を持つ。
 告示後の指定件数373県の内訳は、有形文化財(彫刻)74件、同(考古資料)44件、同(歴
史資料)13件、その他の有形文化財99件で、有形文化財は計230件。無形文化財7件。無形
民俗文化財14件、無形民俗文化財18件、史跡名勝天然記念物104件。総計373件になる。
 
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