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地域の話題
長岡藩士族の会「柏友会」が招魂社祭
 戊辰戦争・西南の役の戦死者を悼む


5月25日掲載

蒼柴神社で厳粛に

長岡藩牧野家の士族の会である柏友会(会長=伊丹耿一氏)は、毎年招魂社祭を執り行い、
戊辰戦争で戦没した父祖の霊を慰めている。合わせて西南の役で遠く九州まで遠征しながら
も、戦陣に没した郷土の先人を悼んできた。
今年も5月21日、慰霊のために招魂社祭を蒼紫神社境内の招魂社で執り行い、新緑のなか
先人の遺徳に思いを馳せた。

長岡藩士族の子孫が大勢参加

同祭には同会名誉会長の牧野家第17代当主牧野忠昌氏、同令室牧野美和子氏、同継嗣牧
野忠慈氏も出席。会津若松市からは長岡藩士殉節顕彰会会長小沼慶八氏、同副会長福島慎
二氏、同理事島影忠次氏が駆け付けた。支藩の旧三根山藩からは一般?三根山有終団理事
長小島一則氏、理事川口孝志氏も参加した。
長岡市内に在住の同会会員はもちろん、東京都内、広島県、群馬県、静岡県、岩手県など県
外からの参加者も多い。遠くはパラオからも参加。神奈川県や千葉県からの参加も目立った。
長岡市からも大勢が参加し、参加者は旧交を温めつつ、等しく祈りをささげた。
ギタリストの畠山徳雄氏はギターを演奏。五月の清浄な空気のなかに哀悼の音色が溶け込ん
で、厳粛な招魂社祭になった。

開府400年では「かしわ寄席」を行う

同祭後、蒼紫神社社殿内で総会を開き、来年の開府400年記念事業には柏友会としても参
加。落語寄席(かしわ寄席)を実施することとした。落語家の入船亭扇辰、三遊亭兼好を招い
て落語二題と噺家トーク「長岡藩の江戸時代」を郷土史家の司会で実施する。
入船亭扇辰師(58)は、本名川越達郎。長岡高校を卒業後、國學院大學を経て落語界入り。
国立演芸場花形演芸大賞金賞を受賞している。先祖は会津飯寺で戦死。父川越壮之助氏は
同会会長を務めた。
三遊亭兼好師(47)は、本名佐藤健司。会津若松市出身。二松学舎大学を卒業し落語界入
り。「彩の国」落語大賞を受賞している。
同会では、市民サービスを念頭に肩肘の張らない落語会を行うことで明日への発展につなげ
たい。合わせて会の周知を図り、会員相互の親睦を図るとして開府400年に向けて張り切っ
ている。

6代藩主牧野忠敬公の素顔を復元

記念講話では、美術博士の戸坂明日香氏が「牧野忠敬公の復顔制作」を話した。戸坂氏は1
983年群馬県に生まれ、東京藝術大学卒業の美術博士で復顔師。アンドロイド制作を行う
A―Lab(東京都千代田区)に勤務する。
牧野家の墓所は牧野駿河守忠成が開基となって1621年に創建した済海寺にあった。東京都
港区の学術調査でここから長岡藩第6代藩主牧野忠敬公(1729〜48)の頭蓋骨が発見にな
った。戸坂氏は復顔師としての技術を最大限発揮して、復顔に成功したという。
参加者は、往時の藩主の素顔(写真)を見つめ思いを新たにしていた。

柏友会は

柏友会は戊辰戦争の戦没者を慰霊する会として成立した長岡藩士族の会である。太平洋戦
争で一時活動が途絶えていたが、1955年に三島億二郎の孫にあたる三島鋭二郎氏を中心
として今泉省三氏らが復活した。牧野家の家紋が柏であることから「柏友会」と名付けた。名誉
会長は代々、牧野家当主が務める。現在は先祖が長岡藩士族でなくとも入会を認め、共に長
岡を盛りたてようとしている。
現在、同会は毎年蒼柴神社で招魂社祭を執り行っている。また福島県会津若松市の「長岡藩
士殉節顕彰会」、愛知県牛久保の「牧野成定公奉賛会」との交流も密である。

長生橋・完成してから80年
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