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長岡新聞:「一寸法師」物語
ナカムラ農産鰍ノ聞く

エダマメが旬を迎えている。夏の暑い一日、エダマメが涼をもたらしてくれる。
ナカムラ農産梶i中村文和代表取締役)は、長岡の特産「一寸法師」の種取りをしている。長岡
では唯一社という。そこで旬を迎えたエダマメについて、中村社長(50)に話を聞いた。

エダマメ生産農家がグンと増えた

昔はエダマメと言ったら、長岡は「肴豆」だった。「肴豆」は収穫時期が遅い品種で、中村社長
によれば「稲刈りを終えた後に収穫するのにちょうどよかった」のである。
中村社長は個人では限界があるとして、「2011年に法人化してからエダマメの作付面積を増
やしていった。現在エダマメは9・7fで9品種を栽培」している。
収穫は「ヨウケイ、おつな姫、湯あがり娘、新潟系14号、茶豆、晩酌茶豆、雪音、一寸法師、肴
豆」と続き、10月上旬ころにはシーズンが終了する。
「ここ10年くらいエダマメ生産農家がグンと増えたし品種も現在では把握できないほどある」の
がエダマメの現状で、最近では、「農家の若い世代がエダマメ選手権などを始め、さらにエダマ
メの知名度が上がった」気がすると話す。

『一寸法師』の創出はナカムラ農産

長岡市はエダマメを地域の特産品のひとつと位置づける。その生産振興のため、各種のプロ
モーション活動に取り組み、生産者や関係機関・団体と連携して積極的な振興を図っている。
中村社長は「実は当社から試行錯誤して生まれたエダマメが『一寸法師』です」と胸を張る。「2
003年から、長岡で昔から地元のエダマメとして食べられていた『肴豆』の中から、特に小ぶり
で食味が良く、香り甘みが強くて美味しいものを厳選して作り上げた」のである。
JA営農担当者ほか、関係者が一丸となって作り上げ、名前は小ぶりでちょうど1寸くらいという
ことから『一寸法師』と名付けた。
JAが商標登録し販売。9月中旬から10日間ほどしか味わえないため「幻のエダマメ」とよばれ
ている。イオンリテール鰍ェ進める「フードアルチザン」(食の匠)にも選定された。
「越後ながおか一寸法師えだまめ協議会」は、その認知度向上を図るため、キリンビール鰍ニ
連携し大規模なPRキャンペーンを北信越・関東エリアで展開している。
このキャンペーンは、6月28日から始まっており、8月23日まで開催する。
地域一体となった強力サポートである。

おいしいために自家消費が多い

「一寸法師」がイオンと提携して販売を始めていることから、今年はさらに生産者の数も増えて
いる。
中村さんは「エダマメの作付面積は新潟県が全国1位である。だが、出荷量は順位を下げてい
る。それはなぜか、おいしいために自家消費が多いから」と話す(農林水産省の平成24年統計
によれば新潟県のエダマメ作付面積は1580fで日本一。だが出荷量は3410dで全国第7
位である)。
「今年の生産は今のところまずまず。昨年は、猛暑ということもあり、エダマメの生産にも大分
響いた。農産物は天候次第です」と話す。
米とエダマメの利益面では、「金額的にはエダマメのほうがいいですが、かかる手間が数段に
エダマメのほうが大変です」という。「コメはほぼ機械作業ですが、エダマメはすべて人の手が
頼りです。管理に手間がかかる。畝づくり、種まき、マルチに種をまくが余計な雑草も生えてく
るので手作業で草取りをする。そのほかムシ予防などすべての作業で人の手が頼り」になって
いる。
そのうえ、「収穫したエダマメを選別機にかけるが、虫食いなどのエダマメは選別されない。こ
のため、最終的に人の目で見て良品を出荷する」と、手間がかかるという。

長岡のエダマメはとても美味しい

中村さんは、「うちでは水田だったところでエダマメを作っています。畑よりも水田のほうがいい
豆ができる。畑だと、色々な肥料が入り混じっているのか、木が育ちすぎたりして、あまりよくな
い」と美味しいエダマメを栽培するコツを話してくれた。
同社に努める高綱良毅さん(25)は「長岡のエダマメはとても美味しいので多くの方に味わって
いただきたい」と話す。そして「小さいころから農業がやりたかった。農校を出て大学も農業を
選択し、今は毎日やりがいを感じて仕事をしています。体も動かせて最高です」と笑顔で話し
た。



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