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長岡新聞:浦瀬町奏楽保存会:神楽舞保存
伝統文化の灯を絶やさない

各種助成金を活用

人口減少に伴う少子高齢化の波は様々なところに影響を及ぼしている。地域に根差した伝統
文化である神楽舞も同じである。
「浦瀬町奏楽保存会」は小学生を含めた20名程が会員である。毎年5月の日枝神社、8月の
諏訪神社の祭礼には、神事として神社境内の舞殿で神楽舞を奉納している。神社の祭礼など
で奉納される神楽舞には各地域それぞれに歴史があり、その思い入れも深い。当然、継承へ
の思いも強い。
そこで、「浦瀬町奏楽保存会」(林政智会長)の継承への努力を取材した。

明治安田文化財団の助成でお面を修理

「浦瀬町奏楽保存会」では100年以上経過した神楽舞の衣装、備品は経年劣化している。傷
みは決して軽微とはいえない。
同保存会会長の林さんは「色落ちした舞衣装、剥げて欠けたお面、舎熊(しゃぐま・連獅子の
様な被り物)の傷み、弓矢、烏帽子、神楽鈴や舞扇に至るまで早急な修理が欠かせないのが
現状である」と心配している。このままでは踊り手の士気にも関わる。
そうしたなか、伝統文化継承の助成制度が存在することは、林さんにとって朗報だった。さっそ
く2017年、「公益?明治安田クオリティオブライフ文化財団」(東京都新宿区西新宿1)の「地域
の伝統文化保存維持費用助成」制度に応募した。同助成には140件の応募があり、民族芸
能部門では42件あったという。幸いなことに同保存会の申請は認められ、助成金は50万円が
決まった。
同保存会への助成は新潟県では唯一の助成対象だった。おかげで「30演目に使うお面の修
理をすることができた」。これで立派な神楽ができる。「浦瀬町奏楽保存会」のメンバーの喜び
は大きい。

税理士共栄会の助成で衣装などを修理

しかし、修理費用は高額である。一方、お面の数は多い。このため、使用頻度の高いお面に
絞って修理することにし、大事に使用している。全部は修理できなかったのであるが「それで
も、これによりお面は修復できた」と林さんは喜んでいる。だが衣装他の修理も必要である。
こうしたなか「公益?全国税理士共栄会文化財団」(東京都品川区大崎1)の伝統芸能分野へ
の助成制度をみつけた。
さっそく、伝統文化継承と備品修理・更新の必要性を申請。こうして「2018年度・第28期助成
金」が決まり、50万円を地域文化の活動として助成を受けた。
同助成金で主に稚児袴、稚児着物、瓔珞、烏帽子、弓、羽、扇子、太鼓台、撥などを新しく修
理、購買したという。
林さんは「同じ悩みを抱える他の伝統文化継承団体にも助成金制度を知ってもらい、役立てて
もらいたい」と話す。

体験教室など、できうる限りの継承策を実践

伝統芸能の継承は、保存会メンバーの会費や町内会の祭礼助成金だけでは成り立たない。
だが「現実を打破して、次の世代へ繋げていきたい」と、林さんは語る。
林さんは、「郷土民俗芸能公演会」(主催=長岡市教育委員会)に出演したとき、「他地域で
も、後継者や道具の劣化など同じ悩みを抱えている」ことを知った。そこで林さんは、一部の地
域だけではなく活動の場を広げようと考え、「ながおか市民協働センター」の長岡マッチングリ
ストに登録した。「地域活動に関わりたい人や誰かの力になりたい人、団体同士のコラボなど
の実現に向けて、未来を探っていく」としている。
8月17日、18日、諏訪神社の宵宮・昼宮では奉納舞が行われた。新しい衣装で華やかな舞を
披露。磨舞(祓い浄める)、盆舞、猿舞など11演目を披露して盛大な拍手を浴びた。
林さんは「伝統文化継承の責任の重さを実感している。市内の小中学校を巡り篠笛を吹奏楽
などの部活にできないか交渉してみたり、舞の体験教室の案内をしたり、できる限りの活動を
検討し実践してきた」という。
だが、こと学校関係では指導者や日程調整など壁は大きく、進展には困難が付きまとう。
それでも市主催の芸能フェスティバルや、他地域神社での舞奉納では、一時途絶えた地域で
の復活や新たな町内祭礼での受け入れなど、手応えも感じている。
「浦瀬町奏楽保存会」のチャレンジは続いている。



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