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No.1000:カストロの死

(12月1日分)
米国フロリダ州マイアミにリトル・ハバナと呼称する一角がある。ここで連日、「悪魔死んだ」と
歓喜する数千人が大通りに溢れた。いずれも亡命キューバ人である▼「悪魔」は、キューバ共
和国のカストロ前議長。90歳だった。カストロは1959年、キューバ革命を指導。当時米国の
事実上の植民地だった同国を国民の手に取り戻した。迫害を恐れた白人の入植者は、母国
へ亡命してマイアミに住み着いた。これが亡命キューバ人で100万人規模という▼キューバは
カリブ海に浮かぶ島国。フロリダに近い。「アメリカ合衆国の裏庭」とされる。長い間スペインの
植民地だったが1898年、米西戦争で勝利した米国が保護国にした(事実上の植民地)。だか
らキューバ革命は独立戦争でもあった▼米国のやり方に不満を持っていた中南米の諸国から
カストロは、好感と期待を持たれた。だが米国は「裏庭」での事件に我慢できない。カストロ政
権をつぶすべく亡命キューバ人を軍事訓練して侵攻する(当時の大統領はケネディ)。キュー
バ軍はこれを阻止したが、危機感を抱く▼カストロは再度の侵攻を防ぐため、ソビエト(現ロシ
ア・当時の首相はフルシチョフ)に軍事支援を要請する。ついに核ミサイル設置にまで進んだ。
「裏庭」に核は断固許せない。世界は第3次世界大戦に怯えたものである▼ともかく米ソは妥
協し戦争は回避。キューバは今も独立国である。カストロは建国の父である。だが、亡命キュ
ーバ人にとっては、「悪魔」なのだろう。人の評価は毀誉褒貶。難しい。(とけいそう)

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