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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.801:毛織物で財を成した細見亮市と長男、孫3代にわた
る収集品
(9月27日分)

ビジネスで大成した人物はいろいろな恩返しを考える。一個人の努力のみで大成したわけで
はない、多くの支援を受けたからと考える。長岡では悠久山公園がその屈指であろうか。当時
60歳以上の財界人が資金を拠出して造り上げた▼ホテル王大野甚松は現在のアオーレの場
所に公会堂を寄付した。互尊文庫は野本恭八郎の寄付による。それぞれの思いを込めた遺
産は、長岡市民に文化を提供し、多くの貢献をしてきた▼「伊藤若冲(じゃくちゅう)と京の美
術」展(新潟県立万代美術館・11月3日まで)では、著名で絢爛豪華な作品が並ぶなか伊藤若
冲(1716〜1800)の作品が光る。毛織物で財を成した細見亮市と長男、孫3代にわたる収
集品である。細見家は「京都細見美術館」(京都市左京区岡崎)を開館し、収蔵品を一般公開
している。その一部が新潟に来た▼若冲は江戸時代中期に京都で活躍した絵師。大胆な構図
と色彩で強烈な印象を観る者に与える。動物を好んで描き、和鶏が好きだった。あまりにも奇
抜すぎて異端扱いも受けたというが、200年も前の作品とは思えない近代性を持つ▼同美術
館も企業人の社会貢献である。そのあり方はやはり意義深い。(とけいそう)

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