長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.991:物価上昇率2%を諦めたか

(11月5日分)

東京都の豊洲市場問題がますます紛糾している。公式な会議での決定を無視した事態であ
る。だが責任者とされる8人には責任感が感じられない▼日本銀行でも同じことがおきてい
る。2013年2月に物価上昇率2%アップを政策目標にすると決めた。アベノミクスの3本の矢
を構成し、日本経済のバラ色を謳った。日銀総裁の更迭をしてまでの政策は大きな期待を呼
び込み、まるで春の陽気だった▼だが同時に2年で実現しなければ辞任するとまで胸を張って
いた。それなのに、いっこうに物価は上がらない。ついに目標達成時期を18年ごろに延期する
とした。そうなれば辞任してよさそうなものであるが、その気配がない▼物価は安い方が良い。
庶民の率直な感覚である。日銀の使命は物価の安定ではなかったのか。すでにモノは十分に
行き渡った。着るモノも、履くモノも十分にある。だから供給力を増加しても、需要の拡大はお
きない。臨時的な働き方(派遣やパートなど)を、「多様な雇用形態」などと讃美すれば、低所得
者が多くなる。当然高いモノへのニーズは低下する▼最低賃金を引きあげるという。企業は対
応策として雇用者数を抑え込む。コストを下げるために、店舗の縮小や営業時間の短縮に走
る。すでに、大型店の店舗撤退や外食産業の店舗縮小がおきている。「1億総活躍」は、低賃
金でも働く労働者の増加を目指している。低所得や老後破産など、貧困問題は物語だけでは
ないだろう▼紅葉の時期である。うっとりする季節のご褒美が溢れているが、次には冬の寒さ
がすぐにくる。バラ色の政策も同じでは情けない。(とけいそう)



ライターを募集しています(0258−32−1933:希望の方は星野へ) 
購読の申込みも同番号へ
トップへ
戻る