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No.998:樹木の皮を食べるウサギ
(11月22日分)

木枯らしの日々が続き冬の準備に忙しい。雪囲いがあちこちで始まっている。せっかく丹精し
た庭木である。雪のために折れたりしては切ない。風通しや採光を考えながら、晴れ間を見て
励むことになる▼公園などでも雪囲いが必要なケースがある。まだ若く幹が細い場合は、支え
が必要である。植栽して間もない樹木の支えは、三角のやぐらが良い。鳥居型では風や雪圧
で倒れるかもしれない。野ウサギがでる場所では、幼木は特に注意が必要になる▼野ウサギ
は冬の食糧に若木の樹皮をかじる。幹を円周にかじられると、樹木は水分を吸い上げること
ができなくなり、結局枯れてしまう。成長して幹回りが太くなれば、野ウサギの口を受けつけな
い。そうなれば話は別であるが、幼木は冬のウサギに弱い▼だが雪が少ない土地の野ウサギ
は、そのような食材を必要としないから、園芸の教科書には書いてないという。おかげで失敗
が続く。池をつくり錦鯉を育てたいとしても、うかつに稚魚を放つのは考えものである。稚魚より
大きい魚が紛れ込んでおれば、放流したその瞬間から食べられてしまう▼大は常に小を捕食
する。自然界の食物連鎖は想像以上に厳しい。それが自然界の掟である。成長した若木も錦
鯉も、コストのかかる話であるが、ある程度の大きさを考えるのが良い。雪国植物園の大原久
治園長は様々な経験を重ねて、植物と動物たちの関係を学んできたと話す▼自然を慈しむに
は、多くの配慮が必要になる。同園は冬の休園に入ったが、生きるために自然は今も動いて
いる。(とけいそう)

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