長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

愛縁奇縁
No.102:不明朗な8億円ついに辞任

〇みんなの党の渡辺喜美代表がついに辞任した。渡辺氏は某化粧品会社会長から計8億円
を借り入れていたが、「個人的に借り入れたのであって選挙資金ではない」としていた。お金を
出した某社会長は「選挙のために貸したのである」と真っ向から否定。選挙のためでないなら
ば詐欺であると、怒っているという。

〇渡辺代表は資金使途を「会議費、交際費、旅費などもろもろ」という。さらに「かなり大きな熊
手」を購入したという。どの程度の大きさの熊手を何個買ったのかは明らかではないが、縁起
物の熊手はそんなに高いのか。
これでは8億円の借金の使途については、何の説得力も持たない。

〇渡辺代表は2つの点で誤りを犯している。
その第1点は、資金提供は自分の理想に共鳴してくれたのであって、自分の生活のために、ま
してや縁起物の熊手を買うために提供したのではないということ。
第2点は、資金収支をオープンにすることが、ダーティーさを払拭し、その後の政治活動をクリ
ーンにするとの近代選挙制度の精神を理解していない点である。
与野党を問わず渡辺氏への疑念が一層深まって、ついに辞任に追い込まれた。

〇選挙はお金がかかる。立候補するだけでも供託金が必要である(衆議院選挙区選挙は1人
300万円)。無一文では立候補もできない。
そのうえ国会で多数を得なければ、自己の理想実現は遠い。国政に反映したいとすれば、あ
る程度の数にまとまらねばならず、同じ考えの同志を募る必要が生じる。複数の立候補者を
擁立すれば、当然のことながら供託金は人数分必要になる。
政治家はお金に苦労をする。

〇だが、その資金が政治資金収支報告書に記載されず、闇に埋もれてしまえば、金の授受は
いったい何のためなのか。単なる賄賂に近くなってしまうではないか。
資金の提供者に、賄賂の認識が微塵もなければ、冒頭に述べた食い違いが起きる。
公明党の井上義久幹事長は「年間20億円近い政党交付金を受け取っている党の党首として、
使途を明らかにすべき」という。「熊手を買ったでは国民の疑惑は払拭できない」と批判する。
 自民党の石破茂幹事長も「政治資金収支報告書の事務的なミスなので直せばいい、というこ
とは、なかなか得心がいかない」と述べる。

〇渡辺代表はずいぶん高い熊手を買ってしまった。資金提供者の真情を踏みにじった。
辞任は遅すぎた。



記者を募集しています(0258−32−1933:星野へ) 
購読の申込みも同番号へ

トップへ
戻る



No.101:揺れている倫理観:「従心」は遠く
No.101:揺れている倫理観:「従心」は遠く