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愛縁奇縁
No.103:竹島や尖閣諸島への外国の横暴

〇8月は戦争への反省と亡くなった人々の慟哭で満ちています。ヒロシマとナガサキは非戦の
思いで原爆投下の日を迎えました。
戦後70年。日本国民は敗戦の痛手から立ち直り経済的繁栄を謳歌しています。それは不戦の
誓いをバックに経済的復興を優先した結果ともいえます。飢え死は避けるべきでありました
が、代わりに失ったものは意外に大きいのかもしれません。
「食えないからこそ学校を創る」との「米百俵」の思想をもう一度想起すべきです。

〇横田滋さん(81)と早紀江さん(78)夫妻がモンゴルで孫娘のキム・ウンギョンさん(26)と面会
しました。今年3月のことです。あのとき、「育児の話など、おばあちゃんとして話ができた」と早
紀江さんが語っています。
日本と北朝鮮の正式な政府間協議は一昨年11月から中断したままです。この面会が新たな展
開に繋がって欲しいのですが、解決にはまだまだ遠い道のりを感じます。

〇6月には北朝鮮の拉致被害者が大量帰国する可能性が伝わってきました。機密情報とのこ
とでしたが、今となれば大変なガセネタでした。その機密情報とは、横田恵さんが含まれる可
能性も否定できない。北朝鮮に渡った日本人妻も同時帰国する。政府は帰国者数が確定すれ
ば政府専用機を差し向ける。などなど、バラ色の話しでした。
それでも北朝鮮は解決済みとしてきた拉致問題に関する立場を一転、高官レベルを長とする
調査委員会を設置するといいだしました。そして生存者がいる場合は日本に帰国させるとのこ
とです。
これは政府の正式発表ですから信頼してよいのでしょう。ただし「生存者がいる場合」であっ
て、北朝鮮が「いなかった」と回答すれば、それまでです。

〇日本は調査の見返りとして、人の往来規制や送金に関する規制、北朝鮮籍船舶の入港禁
止措置を解除します。あのマンギョンボン号がまた新潟港に来るのでしょうか。菅官房長官は
「解除の対象には含まれない」と国民感情の不満を押さえようと躍起です。
伝えられるところでは、帰国に向けての何らの成果も出ていない段階ですが、さらに人道的援
助を開始するとか。美味しいところを先に手渡すのが日本外交の習性なのか。そのような状況
は何とも歯がゆいものです。

〇国際的な紛争は一筋縄では解決しません。だが無力感を感じてしまえば事態はさらに悪化
するかもしれません。
米国はイラクから撤退しましたが、動乱の解決には空爆もやむなしとして先般介入を実行しま
した。現内閣が目指す集団的自衛権はこのような強権を作り上げようとするものです。
尖閣諸島などに対する外国の横暴に、日本がどのように対処するか、北朝鮮は見極めようと
しているはずです。対処の仕方次第では、今までと同じように見くびられてしまうかもしれませ
ん。

〇「米百俵」のベースには「常在戦場」の確たる信念があることを、もう一度想起したいもので
す。


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