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愛縁奇縁
No.118:天皇陛下がペリリュー島を訪問する
日本軍戦没者への追悼


〇天皇ご夫妻がパラオ共和国(通称パラオ)へ慰霊の旅に出た。同国は太平洋上のミクロネ
シア地域にある200余りの島々からなる。
第1次世界大戦でドイツ占領の同地域を日本が占拠。そのまま国際連盟の委任を受けて昭和
20年まで日本が統治した。太平洋戦争中は、絶対国防圏として、その死守が至上命令にな
り、戦争の悲惨さに巻き込まれていく。同国海域のマリアナ諸島にはサイパンやテニアン、ラ
バウルがある。それらの支配権を巡る激戦で日米両軍が死闘を重ね、双方に多大な戦死者
を出した地域である。

〇最大の島、ペリリュー島には日本軍1万6000人が防衛に当たったが、そのほとんどは米
軍の攻撃で戦死した。
天皇陛下はそのような歴史の惨状に触れ、「このような悲しい歴史があったことを、私どもは決
して忘れてはならないと思います」と安倍総理に述べての旅立ちだった。
昨今の安保体制を巡る動きや憲法論議を念頭に置かれての発言だったのであろうか。
陛下の思いが滲むお言葉である。

〇その一方で、安倍内閣は米軍との共同歩調を定めた「日米ガイドライン」を改定する。現在
のガイドラインは1997年にまとめたもの。万一の「有事」の場合に日米双方の軍事協力を定
めている。
今回の改正は「有事」が生じていないときにも、つまり「平時」でも日米双方の協調を定めると
いう。
中国の海洋進出や尖閣諸島など領土への強欲さ、韓国の動きなど国際間の緊張が高まって
いる。そのような中での日本の安全保障は、変わらざるを得ないということか。

〇だが狭い国土での軍事施設配置は、市民生活との軋轢を生む。
沖縄では米軍基地の辺野古移転が紛糾している。地方の声は届かないまま、国は粛々と進め
るという。まるで問答無用である。防衛相は「堅実に工事を進めてまいりたい」と述べ、粛々の
言葉を使わなかったが、「ぜひ辺野古移設をご理解いただきたい」と強調する。
先日は自衛隊のことを「わが軍」と表現するテレビニュースを見た。自衛隊はいつの間にか軍
隊になったのかと一瞬戸惑ってしまう。

〇テレビ朝日系列の「報道ステーション」(キャスター=古舘伊知郎氏)では、元経済産業省官
僚の古賀茂明氏が意に反する番組降板にクレームを述べていた。降板は局の自主規制によ
るもので、その背後には安倍政権の圧力があるとの指摘である。それを生放送中に暴露した
のだから、きっと局内では大騒ぎになったことだろう。
安倍政権に批判的だったという同番組のプロデューサーも更迭になった。
株価上昇とはやし立てる陰で、なんだかきな臭い臭いがする。
天皇陛下のお言葉はそのような政治への警鐘かもしれない。
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No.117:統一地方選挙はじまる
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