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愛縁奇縁
No.133:長岡版『地方創生』にかける
人口の増加を目指して



○明治初期の新潟県は、全国1位の人口を誇っていた。明治18年発刊の『第四統計年鑑』(統
計院編纂)では明治16年の本県人口を158万6000人とし、これに続く都道府県は第2位に
大阪、第3位に愛媛を挙げている。当時の大阪、愛媛は現在よりも広いエリアだったから、新
潟県の人口は他の追随を許さなかった。
米どころニイガタは、多くの人口を養うことができたのである。

〇だが、新潟県の人口は1997年の249万人をピークに減少を続け、今では230万人を下
回る。おおむね全国第14位程度である。
さらにこの人口は2040年にはおおむね50万人減少して180万人を下回る(国立社会保障・
人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口』(平成25年3月推計)と見込まれている。
長岡市の人口も現状の27万人レベルから40年にはおおむね21万人まで減少する見込みであ
る。
このまま推移すれば、日本全体の人口は1億人を割り込んでしまう。だがこのような事態が現
実になればどうなるのか。「予測」とはいえ、人口予測は意外に当たる。10年後の20歳の若者
人口は、今の10歳人口に等しい。「予測」とはいえ、ないがしろにはできない。

〇人口の減少は集落の維持を困難にする。高齢者の介護などを難しくし、地域の安全維持に
も支障がでてくる。適切な労働力の確保ができなければ、経済活動に支障が生じ、国の活力
を減じる。
こうしたことから、日本創成会議(座長=増田寛也東京大学大学院客員教授)の人口減少問
題検討分科会は、消滅する可能性がある自治体は、全国に896あると指摘して、各方面に波
紋が広がった。
40年には全国の約半数の自治体で人口は5割以上減る見込みである。なかでも20歳代から
30歳代の出産に適した女性が減少するという。この結果、新生児の出生は大きな影響を受け
る。

〇このようになれば、女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)が増えても、人口を保
てない。高齢者の移住があっても解決しないのである。日本創成会議は、若者、とりわけ出産
に適した女性がいなければ、問題は解決しないと指摘。由々しき事態として各方面で受け止め
られた。
人口減をなんとか食い止めたい。国全体では1億人を割り込むとの予測に対し、なんとか1億
人でとどめたい。そのような国の施策が、地方に波及している。

○長岡市も「ながおか・若者・仕事機構」(代表理事=羽賀友信氏)を設置し、「長岡版総合戦
略―長岡リジュベネーション(長岡若返り戦略)」をスタートさせた。若者が中心になり運営する
組織で、長岡の地方創生を目指している。これにより人口減少を抑制し、愛着と誇りのある
「ふるさと長岡」を創ろうとする。
森民夫長岡市長は、「全国のトップモデルを目指す。未来の長岡を切り開くという強い決意の
元、職務に励んでほしい」と同機構の職員を激励した。
民間も積極的である。産官学が連携して「マンマ・サポート・プロジェクト長岡」をスタートさせ
た。育児対応や食育・アレルギー対策支援を行う。

〇県は「新潟県人口ビジョン・新潟県創生総合戦略」を昨年策定し、「将来に希望の持てる魅
力ある新潟県」を創出しようとしている。そのなかには、結婚の希望をかなえる未婚化・晩婚化
への対応策も盛り込んだ。これにより、人口減少になんとか歯止めをかけたいとの思惑であ
る。
大幅な人口減に対応し、減少を食い止めたい。地域に住み続ける若者、戻ってくる若者、新た
に移住してくる若者をしっかりと確保し、人口減少に歯止めをかけたい。活力ある長岡を目指
して英知が始動している。




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No.132:2016年も多事多難
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