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愛縁奇縁
No.140:イギリスがEUを離脱
不確実性の時代が始まるのか

(2016.6.30掲載)

○イギリスがEUから離脱する。どのような影響が出るのか、読み切れないまま、先週金曜日
(24日)の相場は、日経平均株価が1万5000円を割った。1200円を超える大暴落だった。
為替(ドル円)相場も一時99円台を付けた。当面、円高・株安を基調としながら、不安定な相場
が続くのだろう。
対応のため政府は日銀に資金供給を要請した。

○イギリスが6月23日に実施した国民投票は、離脱支持が51・7%(1741万742票)で過半
数を越した。一方、残留支持は48・1%(1614万1241票)だった。イギリスの加盟は1973年
の欧州共同体参加以来、43年で終止符をうつことになる。だがこれはあくまでもイギリスの国
民投票の結果であって。EUとの離脱交渉はこれからである。
投票のやり直し論も出ているが、それは無理だろう。むしろ経済政策の面での交渉がイギリス
の離脱を骨抜きにするかもしれない。いずれにしても未知数である。

○日本企業にとっても関税ほか、気がかりな点は出ている。今後のEUが単一体を保てるかど
うかは、経済活動の成否にかかっているといえる。
それにもかかわらず、EUの経済政策は、インフレ抑制策が強すぎる。これはドイツの意向が
滲んでいる。ドイツに有利でも加盟国すべてにプラスとは限らない。28ヶ国を単一の政策で縛
ろうとする点に無理があるのではないか。加盟国間の軋みが出ている。イギリスは金融取引で
の大国であるだけに、離脱は金融取引への不安を生んでいる。 
当事者のキャメロン氏は首相を辞任するという。後継者選びを巡って事態は、いっそう混とんと
していくだろう。

○さらに、ドミノ現象への不安がある。既にスコットランドでは、残留を求める運動が起きてい
る。イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド4国の連合体であるか
ら、こうした動きはイギリスとしては不本意だろう。
スペインや昨年問題化したギリシャでも、離脱の動きがある。フランスでもオランダでも政情は
不穏であって、EUは空中分解の危険性をあらわにしてきた。

○今回の国民投票は移民問題が火種になった。移民を拒絶しないのがEU加盟国の取り決め
である。このためイギリスには数十万人規模の膨大な移民が流入し、イギリス人の仕事を奪っ
ている。
年金負担も増額。移民への年金をイギリス国民が負担することになる。医療面でも、このまま
移民流入が続けば膨大な医者と看護師が必要になる。国民保健サービスは成り立たなくなる
という。
このような指摘は、離脱派を駆り立てたに違いない。生活不安が離脱へのアクションを強め
た。

○EUの誕生は第二次世界大戦への反省からである。ヨーロッパがいくつもの国に分立してい
ることが、紛争の種になり、戦争の惨禍を生むのであれば、統合は平和への一歩になる。
その理想は遠くなるのだろうか。冒頭に述べた株や為替の変動は、そうしたことへの不安感を
示している。

○お金の世界はグローバルに繋がっている。それにもかかわらず不確実な要素が増大するの
であれば、とりあえずは用心するに越したことはない。
その結果、リスクをとるベンチャー精神が萎縮するとすれば、せっかくの金融緩和も無駄にな
る。いやな時代が始まろうとしている。(黄色い風見鶏)
(黄色い風見鶏)
(黄色い風見鶏)

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No.139:追加の金融緩和をしない日銀
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